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『ゴールデンスランバー』 著/伊坂幸太郎  感想

2009.09.08 *Tue
ゴールデンスランバーゴールデンスランバー
(2007/11/29)
伊坂 幸太郎

商品詳細を見る



 「お母さんが、これ、押してあげなさいって」






 すっげぇ面白かった。
 久々に続きが気になって、ドキドキしながら読んだ。

 あー、もう。古本じゃなくて普通に定価で買っても損ないわ。素晴らしい。伊坂幸太郎の集大成と言うだけのことはある。今までの伊坂さんの書いてきた物語の要素がこれでもかと盛り込まれ、それでいて全然無理な感がない。
 もちろん、話としての消化不良な感もあるが、それは第三部の『事件から二十年後』を読めばある程度補完できるものだし、また終始エンターテイメントに徹する、と公言しているので、別に巨大な何かに打ち勝たなければいけない、ということもないと思います。

 書いた時期が同じということで、モダンタイムスと似通った部分が多いですが、モダンタイムスが巨大な組織に立ち向かう姿を描いたのに対して、ゴールデンスランバーは巨大な組織からどうやって逃げるか、を主体にしていると思います。

 しかし、ほんとすごいなー。伏線の張り方もさりげないし、思い出したところで回収してくれるのですごくうれしい。登場人物の個性もちゃんと生かせているという、もう文句なしの作品です。

 あー、ほんと、これ候補辞退しなかったら直木賞取れただろうなぁ。






 それでは、ここから下はネタばれありで。







 つーかね、もう五部の事件から三ヶ月後とか、まじで感動して泣きそうでしたから。
 とくに、「たいへんよくできました」は、ここでもってくるか、と唸りました。すげーグッドタイミング。青柳雅春の物語の一つの終結としては、一番うまい締めだと思いました。このオチのおかげで、バッドエンドに近いトゥルーエンドが、すごくさわやかになったように思います。


 どうしても話の内容的にモダンタイムスと比べてしまいそうになりますが、やっぱりモダンタイムスがいろんな人間の主張を描いたものであるのに対して、ゴールデンスランバーの方は、エンタメに徹しているがために、ここのエピソードだったりキャラクターだったりの要素が強いように思います。

 もう、でてくる中心人物のどいつもこいつもいいキャラしているんですよねー。それでいて、結構自然な人間を描いているようにも思いますし。

 個人的に、一番父親が感動でした。うわ、こういう父親っていいなぁ。最後まで味方なのは肉親だってのも、すごく納得できるし。もしかしたらやってるんじゃないか?と思っていても、最後まで信じてくれる、というのがいいです。そして、父親のマスコミに対する啖呵にしびれました。そうだよ、他人の人生を踏みにじるんだから、同等のものを賭けろよ。

 他にも、森の声の森田さんとか、廃車を教えてくれたカズだったり、元カノの樋口さんといった旧友メンバーとの過去回想も面白かったですし、ロック信者の岩崎さんなんかは別の場所でも出番欲しいくらいにキャラが立ってたと思います。ロックだぜ、青柳。
 あと、残念だったのはキルオ。ちょっと退場が早すぎて残念だったかも。便利すぎたから早々に退場しちゃったという目もあるけれど、こいつの話ってのももう少し見てみたかった。
 それと、保土ヶ谷さんがすげー意外なところででてきたのにびっくりしました。第一部での印象が強かったので、出てきてすぐにここでもってくるか、って思いました。
 花火屋のおっちゃんにしても、うん、出所をわきまえてるなぁ。ってか、ほんと青柳と深くかかわった人間のほとんどが彼が犯人じゃないと確信しているのが地味に感動です。そういうのはお約束の反中ではありますが、青柳の野暮ったさを想うと、説得力があるからなぁ。(不良たちのシーンはむしろ笑っちゃいましたが)


 ほんと、これは面白かった。
 全部読み終わったあとに、第三部の『事件から二十年後』を読みなおして、さらに面白さが増すところがすばらしい。
 まあ、僕はそれを読む前にネットでその真相を知って、あわてて読み返したんですが。……まさかライターがあいつだったとは。
 森の声が聞こえますぜ。


 そんなわけで、素晴らしい読書でした。どうもごちそうさま。

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西織

Author:西織
大学に入学を果たしたただの読書好き。

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年齢:19
誕生日:九月九日
血液型:A型
趣味:読書
夢:作家(前途多難)


主に好きな作家
・西尾維新(番外位)

・奈須きのこ
・辻村深月
・佐藤友哉
・竹宮ゆゆこ

上記の作家の全ての作品を愛しています。

主に好きな漫画家
・児玉樹
・荒井チェリー
・椿いづみ
・福本伸行

漫画の神
・手塚治虫


補足
西尾維新の傑作はきみぼくシリーズだと思って日々を生きています。あのよさをわからない人間が多くて残念に思う。(とくに四作目)
そんな僕は生粋の西尾信者なので、いくらでも語れますし、いくらでも語りつくしてやりますよ。


『空っぽの知識』の別館ですが、よろしくお願いします。
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