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零崎人識の人間関係 零崎双識との関係

2009.04.10 *Fri


 『零崎人識の人間関係 零崎双識との関係』を読了したので、感想を書きたいと思います。





 「――今でも好きだ」





 このセリフの一言前は、ネタばれですがかなりジンときます。


 まあ、そんなわけで、零崎双識との関係。


 っつっても……。はっきり言わせてもらうと、今までで一番『関係』としてはおざなりな話だったと思います。

 出夢との関係だったり、伊織との関係のときは、ちゃんと主題がしっかり前面に押し出されていました。しかし、今回は双識との関係の掘り下げはそれほど行われず、ただ人識が双識のために敵と戦い続ける、というだけの結果に。
 もちろん、今回の人識の戦う動機は、人識がどれほど否定しようと、兄弟愛に起因するものですから、条件自体は満たしているかもしれません。でも、『人間関係』であるからには、自分と相手を中心に添えたエピソードを加えるべきかと。実際、出夢とのときはまっすぐにそれは行われましたし、伊織とのときは萌太と崩子の兄妹と対比させて兄妹関係を際立たせていました。また、それぞれ二人の関係に関して明言する文章が地の文にありました。
 そういった要素が見られなかったのが、ちょっとだけ残念だったなぁと思います。

 まあ、逆に考えれば、もはや言う必要もないくらいにそれは当り前のことだったから、言わなかったというのも考えられるのですが。零崎人識と零崎双識の関係は、どうしようもないほどに兄弟関係ですし、その関係は、いまさら言う必要もなかった、と。だからこそ、終章での二人の会話は何事もなかったように、そうあるべきであるようにされていたとも考えられるのですが。


 ……でも、前回と前々回に比べて『人間関係』って意味でのクオリティが低いんだよなぁ。全然双識のこと意識していないし。家族ってのは意識するものじゃない、感じるものなんだ、って言われたらどうしようもないんですけど。





 まあ、不満なのは主題に対するところだけで、もしこれを単純なバトルものと見るのなら、結構面白かったと思います。
 相手の出してくる奇手にたいしてどうやって勝つか。まあ、単純に言えばスタンドバトルみたいな感じですけど。要するにりすかのバトルみたいな感じでした。

 しかし、まさか『裏切同盟』の伏線を回収すると同時に『呪い名』の伏線を一気に回収するとはオッもいませんでしたが。

 『裏切同盟』っていうくらいですから、根尾さんあたりが噛んでるんじゃないかっていう噂はずっと言われていましたが、完全に外れましたね。うーん、まあ、こういう形もなかなか面白いなぁとは思いますけど。どうしてこんな組織をわざわざつくるようになったのかは知りたいなぁ。(呪い名全体での何らかの同盟でも結ばれていたのだろうか)


 人識と『裏切同盟』の戦闘は、なかなか楽しいものでした。それぞれ全然違う面からアプローチしていったところも面白いですし、人識の勝ち方も、とりあえずは基本設定をちゃんと満たした上での勝利ですから。


 ただ、やっぱりちょっとひねりが足りないところはあるように思います。特に最後の、時宮と咎凪の仲間割れなんかは、簡単すぎました。どうせなら仲間割れはしたけど実は両方生きていました、程度のことはしてほしかったなぁ。


 ……うーん、しかし、戦闘自体は面白かったけど、西尾さんの魅力はそこじゃないと思っているので、なんか微妙な気がしてしまう。出夢のときと伊織のときは、主題がしっかり表現されていたから読み応えがあったけど、今回は本当に敵をちぎっては投げるだけの話だったしな……。



 とりあえず、よかったシーンを上げていきましょう。


・ロリコン殺人鬼VS姫ちゃん

 なんだかんだで登場シーンが少ない姫ちゃんがやっと登場してくれました。全然違和感なく『哀川潤』を模倣しているのには驚きです。これに関しては、やっぱり西尾さんのキャラクターメイキングのうまさだなぁ。
 姫ちゃんが曲絃糸を習うようになった過程を本気で知りたいんですけど……(あとできたら人識のも)
 裏切同盟の名前が出た瞬間に動揺した曲識でしたが、やっぱり単に家族を心配しただけなのか、それとも曲識本人に何か因縁があったのか。……まあ、真実は闇のなかですか。


・人識VS時宮時雨、っつか、零崎人識と匂宮出夢の関係。

 この戦いの所為で、はっきりいってこの小説は『双識との関係』ではなく『出夢との関係』の延長だよなぁとちょこっと思います。
 なんていうか、やっぱりしっかり表現されると感じ方が全然違いますね。なんだかんだで、人識は今まで出夢に関してはコメントを控えている部分がありましたから、はっきりと「好きだよ」と言われると胸キュンがやばい、……じゃなくて、しんみりとします。

 出夢との関係は、本当に良かったなぁ。友達以上恋人未満。性別なんて関係なく、精神なんて関係なく、ただ匂宮出夢という人間と零崎人識という人間が好き合っていた、っていうのが本当に好きです。
 双識との関係のあとに、どうも最終決戦に行くみたいですが、七度の戦闘のうちの五回をちゃんと見てみたい……。


・策士VS変態あらため、萩原子荻VS零崎双識

 まあ、こういう落ちになるのは早い段階で分かっていましたけど。
 まさか最後の話がハンバーガーショップとは……
 こう、『零崎人識の人間関係』っていう形じゃなかったら、もう少しこの『小さな戦争』も掘り下げられてたのかなぁと思うと、西尾さんに変なプライドは捨ててもらってスピンオフをどんどん出してもらいたいくらいですが、いまさらどうしようもありません。

 とりあえず、双識本人の戦闘の方を見てみたいところ。どういう過程で、どういう相手と戦って決着をつけ、そして敵のトップが萩原子荻だと知ったとき、どう思ったのか。
 あと、途中でいろいろフラグメントがどうの、ペリルポイントがどうのと言われていましたが、その辺もちゃんと語ってほしいなぁ。もはやどこまでが伏線でどこまでが虚勢なのかわかりませんけど。うーん、次の戯言遣いとの関係では絶対に明かされないでしょうしね……。




 そんなわけで、今回は正直芳しくありませんでした。

 これまでは、西尾さんの小説読んだら、大抵はどこかしら狙いのようなものを見つけられたんですが、今回は単純に人識が兄貴のためにがんばる、ってだけに感じました。個人的にはちょっと残念です。


 次の『戯言遣いとの関係』は書き下ろしですか。いつになるかわかりませんが、さすがにそれに関しては主題以外の要素を際立たせる理由がないので、純粋に楽しみにしております。いーちゃんと人識の、クビシメロマンチストからの関係。二人の奇妙な鏡のような関係は、いったいどう表現されるのか?


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西織

Author:西織
大学に入学を果たしたただの読書好き。

拍手がえしに関してはこちらでご覧ください。
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年齢:19
誕生日:九月九日
血液型:A型
趣味:読書
夢:作家(前途多難)


主に好きな作家
・西尾維新(番外位)

・奈須きのこ
・辻村深月
・佐藤友哉
・竹宮ゆゆこ

上記の作家の全ての作品を愛しています。

主に好きな漫画家
・児玉樹
・荒井チェリー
・椿いづみ
・福本伸行

漫画の神
・手塚治虫


補足
西尾維新の傑作はきみぼくシリーズだと思って日々を生きています。あのよさをわからない人間が多くて残念に思う。(とくに四作目)
そんな僕は生粋の西尾信者なので、いくらでも語れますし、いくらでも語りつくしてやりますよ。


『空っぽの知識』の別館ですが、よろしくお願いします。
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