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『OVER HEAVEN』 著/西尾維新 原作/荒木飛呂彦

2011.12.17 *Sat
JOJO’S BIZARRE ADVENTURE OVER HEAVENJOJO’S BIZARRE ADVENTURE OVER HEAVEN
(2011/12/16)
西尾 維新、荒木 飛呂彦 他

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 「ディオ。何があろうと気高く、誇り高く生きるのよ。そうすればきっと、天国に行けるわ」




 西尾維新によるジョジョのノベライズ!
 主役はあのディオ! 第六部で語られた、『天国へ行く方法』が記された手記を、西尾維新が再現する!


 うん。ここまであおられて、不安を覚えない西尾信者はいないだろう。

 あの西尾維新がまともに書くわけがねぇ!!

 絶対に思うはずである。
 思わない奴は西尾を知らないか、はたまたジョジョを知らないかのどっちだろう。うん。ぶっちゃけ自分は真剣に、ディオとエンヤ婆のかけ合いか、ヴァニラ・アイスが一人称・僕でディオのことを延々と語る話かと思っていたよ。うん。

 そうではないのである。

 真面目に書いているのである。
 
 書かれている内容は、ディオの半生記。彼自身の人生を記し、そして彼が天国に行きたいと思うその思いを語った備忘録。オリジナル要素はほとんどなく、内容はジョジョの奇妙な冒険で描かれたことをつぎはぎし組み合わせ、そして作者自身の解釈を加えて、描きだした手記である。

 え、お前そんなに真面目な奴だっけ?と真剣に疑われても仕方がない西尾維新が、そこまで真面目にやっているのを見ると、なんていうかこう、変な気分になるけど、まあそれくらい、西尾維新がDIOというキャラクターを深く愛しているのだろうということだと思う。




 とまあここまで書いてここからあとはネタバレあり。いや、西尾が真面目に書いているってことを明かした時点でネタバレだろうと言うことはさておき。







 正直、読み終わった瞬間の感想は、「え、これで終わり?」って感じである。
 当たり前ではあるけど、話の流れ的に最終決戦のところで手記が終わりのは当たり前だし、ディオの特性的に、たとえ死を意識したり自分の本当に知りたいことに直面しても、先のことを意識したまま戦いに赴くことは当たり前なんだけど、まあなんていうか、すっげぇ尻切れトンボに終わったなぁと思ってしまいました。いきなりアトガキがあってびっくりという感じ。
 なんか後日談はあるだろうとか思っていたからそんな感じなんだけど、しかし冷静に考えるとこれはディオの物語。そりゃああそこで終わらんとまずいだろうとは思う。そして、時間を置けばおくほどに、79節の存在感が、終わりである80節のひとつ前の、ディオが真理にたどり着き、それに思い至らないシーンの意味合いが増してくるのだ。
 彼が嫌悪した気高さや誇り高さ。それは、自分にはまったく無縁だと思っていた愚かさ。そして、自分とは対極だと思っていた、『与える者』『受け継ぐ者』としての在り方。
 そういう分類をしていたこと自体が彼の『人間』としての在り方だし、また、知らず知らずのうちに彼自身も受け継いでいたということが、何とも皮肉なものだ。
 与える者や施す者がいれば、与えられた人間は、自然とそれを受け取ることになり、また別の形ではあれ、受け継ぐことになると言うのに。
 ジョセフや承太郎が、ジョナサンの気質をそのまま受け継いだわけではなく、まったく別の性格をしていながら、それでもジョースターという血統の持つ強さのようなものを『受け継いでいた』ように、どんな形であれ、ディオは何かを受け継いでいるし、またどんな形であれ、それを人に受け継いでいる。
 もしかしたら、ジョースターとディオの因縁というのは、そのまんま、受け継ぎ、受け継げ合っているいるようなものではないだろうか。
 そこまで言うのはさすがに言いすぎかなとも思うが、最終的な西尾維新の結論は、その点かもしれない。ディオが最終的に『聖女』の存在を意識し、実際にそれによって影響を受けていたと言うその因縁を思えば、あながち間違いじゃないかもしれないと思う。

 結局、天国に行く方法って言うのは、たくさんの理論をこねくり回したところで、当人の意思のあり方ということなのだろう。気高く、誇り高い、善の人と言うのは、そうした気持ちを迷わずに持ち続けられるからこそ、天国に至れる。それに気付いていながら、それを出来ないからこそ、ディオは別の方法を模索していた。

 少し考えてみたんだけど、天国に行く方法に関して、悪人の魂に関しては少し考えなければいけないけれど、他に必要なものは、人が当たり前のように持ち、そして求めるようなものじゃないだろうか。まあ、『私のスタンド』を『時間』に置き換えて考えた場合だけど。それに、悪人の魂に関しては、自身の悪性の自覚で、それと向き合うということなのかもしれない。『14の言葉』は作中で子守唄の歌詞と書いてあったけど、これはすごくうまい解釈だと思う。スタンドが新しい魂を得て生まれ変わり、それに友が声をかけ、信頼できる友と友になる。


 ディオはもう一度『生まれ変わって』、『やり直したかった』んだろう。
 やり直しは、ある意味ではエリナによってすでに与えられていたのに。
 いや、そもそも、自身の母によって、何時でもやり直せるように、『与えられて』いたのに。


 と言ったところが自分の解釈です。まあ、ディオが善の人に憧れていたというのはちょっと違うかもしれませんが、少なくともやり直すことは望んでいただろうなと思うし。
 まあ、西尾維新がこれをそういう解釈で書いたかというのもわかりませんが。これで全然違ってたら笑えるな。




 そんな感じで、西尾維新によるジョジョのノベライズでした。
 とりあえず作中にあふれるジョジョ愛はしっかりと受け取らせていただきました。しかし、その分はっちゃけが足りなくて物足りないという気はしないでもないかな? 上遠野さんが『ジョジョ愛』も『オリジナリティ』のどちらもやっていただけに、二発目としてはちょっと失速感があったかも。どちらも求められるのが、ノベライズの辛いところだな!

 とりあえずまあ、素数を書き連ねるディオ様には笑いました。おい、最終決戦直前に何やってんだよww!



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プロフィール

西織

Author:西織
大学に入学を果たしたただの読書好き。

拍手がえしに関してはこちらでご覧ください。
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年齢:19
誕生日:九月九日
血液型:A型
趣味:読書
夢:作家(前途多難)


主に好きな作家
・西尾維新(番外位)

・奈須きのこ
・辻村深月
・佐藤友哉
・竹宮ゆゆこ

上記の作家の全ての作品を愛しています。

主に好きな漫画家
・児玉樹
・荒井チェリー
・椿いづみ
・福本伸行

漫画の神
・手塚治虫


補足
西尾維新の傑作はきみぼくシリーズだと思って日々を生きています。あのよさをわからない人間が多くて残念に思う。(とくに四作目)
そんな僕は生粋の西尾信者なので、いくらでも語れますし、いくらでも語りつくしてやりますよ。


『空っぽの知識』の別館ですが、よろしくお願いします。
http://tukimaturi.blog89.fc2.com/

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