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『うさぎドロップ』 作/宇仁田ゆみ

2011.01.02 *Sun
うさぎドロップ 8 (Feelコミックス)うさぎドロップ 8 (Feelコミックス)
(2010/10/08)
宇仁田 ゆみ

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 わたしがこれ以上のことを望まなければ
 こんなに楽しい暮らしもないな

 望めば全部
 なくなっちゃうけど…






 ハローみなさん。こちらでは明けましておめでとう。
 さてさて。今年一発目の読書日記の更新が漫画だってのはあれだけど、今年は漫画の方も気に行ったものは更新していきたいなーと思っているよ!

 というわけで、『うさぎドロップ』です。

 簡単に内容を紹介すると、30歳独身の大吉が祖父の訃報で彼の家を訪れると、そこには祖父の隠し子のりんがいた。りんを誰が引き取るかでもめる親族たちが見るに堪えず、大吉は自分がりんを引き取ると宣言する。そこから大吉とりんの奇妙な共同生活が始まった。

 四巻までが第一部で、大吉の子育て奮闘記。五巻からはその十年後の話。

 テーマとしては、子育ての大変さだとか親になるということの意味とかそういうのが第一部の物語だと思います。子育てって大変なんだけど、それを誰もが経験しているんだということ。それは社会に出て仕事を始める時に『子供』から『大人』になるのと同じで、『大人』から『親』に変わること。そうした際にやってくる障害を一つ一つ乗り越えていく姿が変則的に描かれています。
 一転して第二部では、一部の延長のような話が続きますが、しかし視点が大吉だけではなくりんの方にも及ぶことで、家族関係にも広がってきた感じ。少なくとも六巻くらいまではそんな雰囲気でした。七巻以降はそれがまた少し変わってくるのですが、それはまあ読んでの感想だと思うので。








 まあ、それはそれとして。ここまでは紹介ということで、ここから先はネタバレありの感想に入ります。












 とりあえず、第一部の内容はもういろいろえぐってくるなーという内容でした。僕も成長してある程度分別がついてきた大人に近づいていると思っていたんですが、まだまだ自分って子供だよなぁと実感させられるような話。人は親になって子供を育ててからが一人前、みたいな話をよく言われますが、なるほどこういうことか、とすごく納得しました。
 仕事の責任ももちろん自分にかかってくるものですが、それは同僚も同じように抱えている重みですし、それに耐えきれなかったとしても痛むのは自分自身というよりは対人関係における摩擦が痛いという感じですが、子育ての場合は直に自分自身に痛みが跳ね返ってくるものなんだと思いました。まあ、そりゃそうですよね。仕事だとかそういうのでは、口で言わないでも心の中で誰かの所為にすることもできますが、家族はほんとうに自分か伴侶しか責任者がいないわけですし。そこで自分自身にまったく責任を追及せずに妻なり夫なりに責任を押し付け合うような夫婦がうまくいかないわけでしょうが、たぶん子育ての間って普通はそんな余裕ないんだろうなーと漠然と自分の子供のころを思い出して思った。……うん、そうとう苦労かけているよね。

 一巻二巻の様子を見ていると、ほんと心が痛いといいますか、ほんの些細なことでも障害は出てくるんだなーとしみじみ思います。ってか、大吉ができる奴すぎる。自分の子供でもないのにここまで自分を犠牲にできるものなのか、と思ってしまうのですが、それを犠牲と思うかどうかは人次第かもしれません。結婚もしていないのに親になるってのはそうとう人間出来ていないとできないと思うわ……。
 大吉は、初めからりんに対して悪い感情は持っていませんでしたけど、それが次第に本当に自分の娘に向けるような感情に変わっていくのがいいなぁと思いました。とくに四巻のラストですが、こいつマジで親バカやなーと。大吉が子育てをがんばれた理由は親族やりんの母親への反発や子育て仲間の様々な境遇なんかもあったのだと思いますけど、何より彼がしっかりと人間のできた大人だったことがよかったんだなーと思います。


 さて、一転して第二部ですけど、どうも最初はあんま評判良くなかったみたいですね。個人的には一気に読んだのでそんな感じはしなかったんですが、確かに五巻、六巻はそれ以降の物語の展開に向けての溜めの期間だったようにも思います。ってか中学時代のコウキのグレ具合が小出しだったからちょっとやきもきしたわけですが、その溜めがあって、りんにとっての初恋に収拾をつけたからこそ、りんの大吉に向ける思いのようなものがきれいに落ちてきたようにも思います。
 ってか、八巻が爆発すぎる。冒頭でコウキが自分の母親の『女』を見たことに対してショックを受けている、という描写があったおかげで、余計にりんの気持ちに対する背徳感が高まるといいますか。いや、最初りんの大吉への恋心のようなものがほのめかされた時は『その展開はねーよ』とか思ったんですが、なんか流れがあまりにも自然すぎて普通に受け止められてしまったわ。たぶん近すぎず遠すぎずっていう二人の距離感がうまいこと作用したんだろうと思う。まあ、普通は十年も一緒に暮らしていたらそんなことはあり得ないと思うんですが、りんの境遇が境遇だから、大吉もそれほど深入りできなかったのかも。りんにとっては家族と言うよりは同居って感じだったのかもなー。それ考えると、完全に自分の娘として見ている大吉の方が可哀そうなんですが。問題が出てくるまでに十年と言う長い年月がかかっているのが余計に重たい。

 もう、八巻の最後で大吉の文句に赤面するりんが完全に女の顔しているのが決め手ですね。やべーよ。これどう収拾付けるんだよ。三親等だぞ。いや、確かに創作の世界にゃ近親相姦が最近あふれているけど、普通にやべーからな。これをどうまとめ上げるかで作品の評価ががらりと変わってくると思う。


 そんなわけで、続刊が楽しみすぎです。大体半年くらいの周期か……。待ちきれんな。


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プロフィール

西織

Author:西織
大学に入学を果たしたただの読書好き。

拍手がえしに関してはこちらでご覧ください。
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年齢:19
誕生日:九月九日
血液型:A型
趣味:読書
夢:作家(前途多難)


主に好きな作家
・西尾維新(番外位)

・奈須きのこ
・辻村深月
・佐藤友哉
・竹宮ゆゆこ

上記の作家の全ての作品を愛しています。

主に好きな漫画家
・児玉樹
・荒井チェリー
・椿いづみ
・福本伸行

漫画の神
・手塚治虫


補足
西尾維新の傑作はきみぼくシリーズだと思って日々を生きています。あのよさをわからない人間が多くて残念に思う。(とくに四作目)
そんな僕は生粋の西尾信者なので、いくらでも語れますし、いくらでも語りつくしてやりますよ。


『空っぽの知識』の別館ですが、よろしくお願いします。
http://tukimaturi.blog89.fc2.com/

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