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『零崎人識の人間関係』 著/西尾維新  感想

2010.03.28 *Sun


 とりあえず、四冊の読み方で個人的なお勧めはISBNの若い順、メフィスト掲載準の『出夢との関係』→『伊織との関係』→『双識との関係』→『戯言遣いとの関係』と読んだ方がいいと思います。

 ただ、伊織との関係と双識との関係は逆に読んでもいいかなぁ。戯言遣いとの関係はできれば最後に持ってきたいものですけど。もちろん、戯言遣いとの関係を読むときはクビシメ再読するのもオヌヌメ。





 それじゃあ、それぞれ感想を。







○匂宮出夢との関係

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(2010/03/25)
西尾 維新

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 「わっかんねーのかよ!」



 メフィスト掲載時の感想はこちら
 http://tukimaturi.blog89.fc2.com/blog-entry-350.html


 匂宮出夢との関係。
 始まりは敵同士で、次に会った時には格上の存在で、次第に慣れ合って言って、友達みたいな、恋人みたいな、そんな日々を過ごして、最終的にはまた敵に。

 人識にとって出夢との関係は、家族以外の人間との間に芽生えるもののほとんどが含まれていたんじゃないだろうかと思う。他人のことをわからない、どこに行っても中途半端だった人識が、初めて相手の気持ちを痛いほど分かった瞬間。それが『人識への憧れ』という感情だったからこそ、人識は最後までつき合わなくてはいけなくなった。
 それこそ、最初っから出夢は人識のことが羨ましくて仕方がなかったんだなー、ってのが最後の出夢の叫びでわかります。人識が二重生活をすることを、殺人鬼として『おかしい』と責めるわけじゃなくて、ただ『ずるいじゃないか』と言って責めること。この本音がこぼれる瞬間が、どうしようもなく切ないです。

 本当に、人識と出夢の関係はこれまでの人間シリーズで丁寧に描かれていただけに、バッドエンドでありながら胸糞悪さよりも切なさの方が先に来るように出来てあります。どうかこれを読んだ後には、ヒトクイマジカルでの戯言遣いと出夢の会話を読み返してみてください。



 あと、こっからは不真面目な感想。

 煙々羅のイラストが思った以上にエロい。これで敵には姉御っぽくて身内ではダダ甘なんだって思うと……。
 あと、飛縁魔が意外とクールな男の人でびっくり。もっと地味なのをイメージしていたんだけれど。飛縁魔の最期も切ないよなー。こいつもこいつで、一緒にいて安らげる家族を求め続けながら果てていったんですから、ある意味幸せではあったんだと思います。ってか、そこの地の文が反則すぎる。あんな語り方されたら感情移入しない方がおかしいじゃないか。
 そして、直様。うん、とりあえず、日本は常時うにうに言っているような連中に支配されているんだな……。

 あ、もちろんいずむんのセーラー服姿もエロかったですよ。(まあ、どっちかと言うと奴は男前すぎるところもあったけれど)、





○無桐伊織との関係

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 「家族です。兄妹ですよ」


 メフィスト掲載時の感想はこちら
 http://tukimaturi.blog89.fc2.com/blog-entry-443.html


 無桐伊織との関係。
 出会った瞬間いきなり兄妹になって、共通の兄をつながりとして行動をともにし、口ではいろいろ言いつつも、次第に相手のことを意識するようになっていった二人。初めから『兄妹』という縛りがあったというのもあるとは思いますが、人識にとって誰かとここまで近い関係を築いたのは初めての相手だと思います。
 出夢と違うところは、『家族』であることを選べなかったところだなぁと思います。出夢との関係を人識は『共犯者』『家族みたいなもの』と表現しましたが、それはどちらかと言うとやっぱり他人同士が同じ釜の飯を食べて長い子と一緒にいる疑似家族的なものがあると思います。まあ、当たり前ですが、人は親は選べないし兄弟姉妹も選べない。そういった意味で、初めからそういう枠組みに組み込まれたこの二人が、自然と本当の家族のように相手を意識しあえているのがよかったです。
 ってか、本当に兄妹らしい兄妹だよなぁ。やっぱり兄妹ってのは男女である前に兄妹なんですよ。そこには異性間の友情というものが入り込む隙がないから、ある意味安定した関係性なんだと思います。(まあ、ここまで潔い関係は、現実の兄弟姉妹ではなかなかありえないものでもありますけどね。そういうところも、『零崎一賊』という疑似家族の存在を象徴していると思う)

 ついでに、その比較対象として家出兄妹を持ってきたのもナイスだと思います。とくに萌太くんと崩子ちゃんの関係が兄妹という枠組みから親→子の関係まで含まれてきたのも、ちょっと象徴的。この物語は闇口崩子の独り立ちの物語でもあったんだなぁ。



 不真面目な感想。

 我樹丸のイラストが色気ありまくっててやばいwww
 いや、そもそも表紙の伊織のあの服装もエロくていいなとか思ってたんすけど、中のイラストみて吹いてしまった。これはww確かにこのじーさんになら抱かれてもいいかもしれんww

 ってか、なんかさっきからエロいってしか言ってないぞ。


 そりゃそうと、再読してみると我樹丸の『負ける』ことに対する恐怖みたいなものも感じられてなかなか新鮮でした。本筋からは離れるけれど、これはこれで一つのテーマとして描いてくれれば面白かったけどなぁ。





○零崎双識との関係

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 「遅くならないように帰るんだぞ。門限は五時だ」


 メフィスト掲載時の感想はこちら
 http://emptyreader.blog81.fc2.com/category14-1.html

 零崎双識との関係。
 よくわからない存在としての人識を、よくわからないまま愛した双識。家族として、兄弟として、常にそうあろうとした双識にだけは『家族』であることを良しとした人識の、これは兄を助けるための物語。

 まあ、『人間関係』という意味ではおざなりなものでしたけどね。とりあえず再読してみると、多分わざとやっているんだとは思うけれど。でもなぁ、やっぱここはもっと重要なものだから、せめて双識兄ちゃんをもっと出してほしかったなぁ。

 つーか、もう最後は見事に匂宮出夢との関係になってましたしね。「今でも好きだ」は、やっぱきくわ。出夢との関係の時は、あんな風に言ってたのにねぇ。
 それと、呪い名の噛ませっぷりにはまにわにに通じるところが……


 不真面目な感想。
 摘菜さんエ(ry
 つーか登場なかったから仕方ないにしても、咎凪がはぶられてて吹いたww。そしてトレーディングカードの奇野さんがwww

 そしてアトガキ。あんたそれ自分で言っちゃだめだよwww




○戯言遣いとの関係

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  誇らしげに――自分の名を名乗った。
 「零崎人識で、お願いします」



 戯言遣いとの関係。
 それは、本来なくてもいい関係。ただの偶然で出会い、ただの偶然で話をし、ただの偶然で別れた。二人の間にあったものは相似形のような同じ形だけであって、そこに何の因果も存在しない。だからこその『無関係』

 一回目読んだだけじゃ納得できないと思いますが、クビシメ読みなおした後にもう一度これ読み返してみてください。ついでにヒトクイとかその辺で零崎についていーたんが語っているのを読みなおすとなおいいかも。
 関係断続、というのが、要するに関係をもったり持たなかったりという不安定な立場を示しているんだと思います。友人関係と言ってしまえばそうですが、しかし友人ほど強くつながった関係でもない。普段は他人以上友人以下で、再会するとそういう枠から外れてしまうような関係なんだろうな。
 最後に鈴無音々が下した零崎の評価がそれをうまいところあらわしていると思います。要するに、『似ている』から零崎人識と戯言遣いはあれだけ互いを意識した。けれど、似ている、以上に二人をつなぐ要素がないところが、二人の関係を象徴しているんじゃないかな―、と漠然と思う。

 この巻では人識の内面をまるっきり描写していないのがまたよかったです。人識の思考を描写すると、他の三つの関係みたいに人識がヒーローのようにかっこいいキャラクターになるわけですが、こうして一般人の目からみた彼はやっぱり『殺人鬼』でしかなくて、どこか狂っている人間でしかない、というわけで。
 まあ、目撃者も大概分に狂っている奴らばかりですけどねー。一番一般人に近いはずの江本智恵ですら、冒頭のあの始末ですし。けれど、そうして狂人と狂人の会話を描くことで、いつもの零崎っぽい感じを出しつつ、最後に殺人の理由が判明したときに人識の印象がひっくり返る感じがいいと思います。
 心。
 周囲を理解することができず、また周囲からも理解されなかった人識は、周囲の人間が持っているという『心』がほしかった。
 この辺は、サイコロジカル辺りの戯言遣いにつながるところがある様にも思います。あれの最初のところで、比喩としてオズの魔法使いが出されたときに、いーちゃんにあてはめられたのがロボットでしたからね。戯言シリーズがいーちゃんの成長物語だったのに対して、零崎シリーズも、変則ではありますが人識の成長物語であったんだなぁと思います。
 っていうかなぁ、哀川さんに攻撃された時の、「まだ全然なんだ」という言葉が切ないです。序章で『一般人との戦い』という風に書いてありましたが、実際人識は懸命に闘っていたんでしょう。周りからすればそれは狂気以外の何物でもないですが、本人は必死も必死。そういった感覚のずれも、零崎人識という人間の不完全さなんだと思います。

 そして、哀川潤の回答が、結局人識にとって答えとなりえたかどうかはわかりませんが、それが彼の求めるものに近いんだろうなとは思います。
 結局人識が殺せなかったのは哀川さんだけじゃなくて、いーちゃんも殺せなかったわけです。自分という人間に一番近い存在であるところの戯言遣いを殺せなかった。『自分』という存在を解体できなかったことを考えると、自らの心を感じられずとも自分の中に『ある』ってことだけは、わかってしまったのかもしれません。
 人間を十二種類に分けることができる、っていいながら、最後の十三人目は実は自分だった、ってオチは、まあ納得と言えば納得なのかもしれませんね。(世間に埋没できなかった人識だからこそ、っていう意味ですが)

 伊織との関係で「会いたい奴がいる」っていっていましたが、それが最終的に八年後の自分、って風につながるんだと思うと、一層感慨深いです。


 
 それじゃあ、不真面目かどうかはわからない感想。

 智恵ちゃんが出てきてくれただけで、僕は……僕は……。
 何気に戯言ヒロインズでは一番好きだったりします。クビシメであれだけいーちゃんに対して本音ぶっちゃけた理由がちゃんと分かってよかった。
 しかし、戯言遣いは普段のどうでもいい独り言でそんな確信突くような変な台詞吐くなよww。いや、まさかあんなところで出てくるとは。しかし、普通根暗のようにしか思えないと思うんですけど、こうして異常だと思われるのは一種の才能だよな……。
 やっぱなぁ、江本智恵と戯言遣いの会話ももっとみたかったなぁ。おのれみここ。

 あと、魔女・七々見。
 腐女子って……。
 イメージとは全然違いましたが、しかしまあこういう性格なら確かに崩子ちゃんにあんな台詞教えたりするなぁと納得はいく。ってか、こうして実態が分かってしまうと、いーちゃんの七々見に対する評価が、かなり違って見えて……。

 沙咲さん。
 斑鳩さんはちゃんと再登場したのに沙咲さんは!とか思っていただけに、この登場はうれしかった。
 しかしこの女、クールな顔していながら戯言遣いへの評価がえげつないぜ。ってか、確かに相手側から見たら水道水出されたらあんな風に評価されても仕方ないよなww。いーちゃん視点で読んでいるとわかんなかっただけに新鮮だわ。

 赤色と青色
 突っ込み玖渚なんて、ある意味レアだぜおい。
 ってか、今回珍しく哀川さんが頭脳労働していてびっくりした。けど、この人は本来こういうこともできるんだよなー。やっぱ名探偵としての立ち位置でもあるんだから、もっと頭脳労働してほしいものだよ。そこは緋色の英雄に期待かな。
 玖渚と哀川さんのじゃれ合いが楽しかったです。イエー





 そんなわけで、なんかまだ語りつくせていない気もするけど楽しかったぜ、イエー!

 でも、これで人識の登場機会はほとんどないと思うと残念だなぁ。こいつはいーちゃんと違って友情出演と言う形があう人間だし、緋色の英雄でもでてきてくんねーかなー。でてこないよなー。


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2011/10/15(土) 09:44:10 | ご本といえばblog [Del

プロフィール

西織

Author:西織
大学に入学を果たしたただの読書好き。

拍手がえしに関してはこちらでご覧ください。
http://blogvote.fc2.com/pickup/emptyreader


年齢:19
誕生日:九月九日
血液型:A型
趣味:読書
夢:作家(前途多難)


主に好きな作家
・西尾維新(番外位)

・奈須きのこ
・辻村深月
・佐藤友哉
・竹宮ゆゆこ

上記の作家の全ての作品を愛しています。

主に好きな漫画家
・児玉樹
・荒井チェリー
・椿いづみ
・福本伸行

漫画の神
・手塚治虫


補足
西尾維新の傑作はきみぼくシリーズだと思って日々を生きています。あのよさをわからない人間が多くて残念に思う。(とくに四作目)
そんな僕は生粋の西尾信者なので、いくらでも語れますし、いくらでも語りつくしてやりますよ。


『空っぽの知識』の別館ですが、よろしくお願いします。
http://tukimaturi.blog89.fc2.com/

初めての方は、カテゴリ内の『未分類』を先に読んでください。



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