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『丸太町ルヴォワール』 著/円居挽  感想

2010.02.28 *Sun
丸太町ルヴォワール (講談社BOX)丸太町ルヴォワール (講談社BOX)
(2009/11/05)
円居 挽

商品詳細を見る



 「それでは、マドモワゼル・ルージュ。オ・ルヴォワール……」



 お勧めされたので読んでみました。

 ……正直序盤はかなりつまらなかったんではずれかな―、とか思ってたんですが、半分超えたあたりから無茶苦茶面白くなってきまして。次第に心の中の中学生が目覚めたといいますか、全体からにじみ出る臭さが全然気にならなくなり、また次々に出てくるどんでん返しが楽しくて仕方なかったです。
 やばい。講談社BOXなめてた。すげー面白いもんもあるじゃないか。

 まあ、ところどころそりゃねぇだろと思うような展開もありはしますが、ちゃんと理由あってのものが多いので軽くスルーした方がいいです。ってか、スルー耐性さえあれば、本当に面白いですよこいつは。





 そんなわけで、こっからはネタバレあり。







 とにかく、見どころは後半の双龍会でしょう。
 序盤の伏線張りも、あとから見直すとかなり練られてて驚くのですが、あそこはちょっと臭さが鼻についてどうも入り込めなかったんですよね。けれど、序盤でこの文体とキャラクターに慣れたからこそ、後半の怒涛の展開が楽しめるように思います。

 ああ、しかし思い返すだけでもすげぇとしか言いようがない。そりゃあ、気づく奴はすぐ気付くようなネタかもしれませんけど、自分みたいに何も考えずに読む人間は次から次に明かされる事実と、相手の論をひっくり返すためだけの暴論に笑ったり驚いたりするしかありません。ってか、とくに達也が出てから一発目のひっくり返しが本当にナイスだった。へ理屈も使いようなんだなぁとしみじみ思いますよ。
 しかし、細かいネタもいいんですけれど、何より登場人物の力関係と言うか、魅せ方がうまいんだよなぁ。実力を見せる場面が完全に計算つくされている。無駄な弁を出して場を濁したりせず、そのキャラにとって一番映えるシーンで一気にたたみかける。大和の暗殺剣とか、落花のルージュの演技の場面とか、ちょっとした鳥肌でしたよ。(まあ、あの長口上が気になったら一瞬でおじゃんなわけだが)
 あと、一番驚いたのは大和=撫子です。これは本気でやられた。かなり伏線張っててきわどいところまで表現してくれてたのに、ものの見事にだまされましたよ。双龍会でもかなりの頻度で撫子の表情の描写していたし、双竜会中は龍師としての立場の場合はかなりの頻度で号の方の名前を描写するようになっているし。そして、一番危険なのは女子トイレ前のあれだよな。流の性別トリックに目を奪われすぎて完全にあそこスルーしてたわ。そうだよ、一回性別トリックが行われたら、もう一回あることを疑わない方がおかしいわ。
 そして、そこから撫子=ルージュへの流れも鮮やかなんだよなぁ。撫子の性格を丁寧に描写していたから、最後の最後にどんでん返しが見事に決まっていました。もうあの辺は次が気になって仕方がないって感じでしたね。


 いやあ、しかし楽しかった。
 小説で心理戦ってのはなかなか難しいものですが、これはうまかったなぁ。ちゃんとした議論の流れの中に巧妙にネタを仕込んでいるわけですし。この人の次回作がすごく楽しみです。

 惜しむらくは、名前のセンスとかだなぁ。まあ、心の中の中学生を目覚めさせればノリノリに慣れるかもしれないですけど、せめてテンションが高い名前は号だけにしてほしい。ってか、文中だと読みにくいんだよこの手の名前は。『時代』とか『論語』とか、名詞なのか名前なのか一瞬分からなくなっちゃうし。
 あと、ところどころ状況が分かりにくかったり、誰がしゃべっているのかわかりにくいところがあったので、そういうところは次回作に期待ですよね。


 そんなわけで、楽しかったです。




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西織

Author:西織
大学に入学を果たしたただの読書好き。

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年齢:19
誕生日:九月九日
血液型:A型
趣味:読書
夢:作家(前途多難)


主に好きな作家
・西尾維新(番外位)

・奈須きのこ
・辻村深月
・佐藤友哉
・竹宮ゆゆこ

上記の作家の全ての作品を愛しています。

主に好きな漫画家
・児玉樹
・荒井チェリー
・椿いづみ
・福本伸行

漫画の神
・手塚治虫


補足
西尾維新の傑作はきみぼくシリーズだと思って日々を生きています。あのよさをわからない人間が多くて残念に思う。(とくに四作目)
そんな僕は生粋の西尾信者なので、いくらでも語れますし、いくらでも語りつくしてやりますよ。


『空っぽの知識』の別館ですが、よろしくお願いします。
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