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『真夜中の五分前』 著/木多孝好  感想

2009.03.13 *Fri
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 僕は今でも一日の最後の五分間だけ、かすみのことを思う。水穂のことを思う。



 sideAとsideBで綴られる、新感覚の恋愛小説、偶然の出会いが運命の環を廻し、愛の奇跡を奏で出す。

 そんなキャッチコピーに惹かれて手に取った二冊。『story seller』で読んだ作家ということもあって、期待は大きかったです。


 読了後の感想は、sideBのあらすじで書いてあった『驚愕のエンディング』といわれるほど驚愕ではなかったなぁとは思いはしたものの、それでもしんみりとしみ入るラストでよかったなぁという感じです。


 恋愛小説ってのは、はっきり言って恋が成就するよりも失恋で終わったり、お互いの仲をしっかり清算しきった状態で終わったほうが読後の感慨深さは大きいですが、その典型だったなぁと思います。
 sideAのラストで、いろいろ未解決な中でも一応の落としどころを見つけてトゥルーエンドになったと思いきや、sideBの序盤で急転直下。そこから、主人公が自分を見直す物語が始まる。そこでしっかりと自分の気持ちに向き合って、最後の水穂に対する気持ちをしっかりと表明したのはジンと来るものがありました。


 過剰な表現がないぶん、じんわりとくるんですよね。恋愛小説にありがちな、異常なほどの描写の所為で逆にしらけるということがなかったので、さくさくと読んでいけました。(比喩が上手なものはいいんですが、失敗しているものも多いので)


  軽妙な、それでいて落ち着いた一人称もよかったです。そのおかげで、起伏はないですけれど一つ一つのエピソードがゆっくりと浸み込んでくる。
 主人公自身に関係のある色恋沙汰もいいですが、それ以上に周りの恋愛が魅力的でした。十年以上も気持ちを抑え続けていた小金井さんの気持ちが暴露されたときは、グッと来ましたし、改装するバーのマスターとその奥さんとバーテンの三角関係なんか、それ一つでもお話作れるじゃんって思うくらい印象に残りました。

 ただ、そういったことを除いても、主人公の一人称は面白かった。特に、映画について語る場面で、いかにお金がたくさん使われたかが分かる映画だ、という表現のためにいくつも言葉を重ねたのが面白かった。少しひねた感じが、いやみにならない程度だから感情移入もしやすい。(ただ、実際にいたら付き合いにくいだろうなぁ)



 んー。なんていうか、書いていったら取りとめもなくなっちゃいましたけど。
 特別力を入れて語るところは思いつかないけど、全体を通していい気分にさせてくれた小説、といった感じでした。

 こういう雰囲気を味わう小説もたまにはいいなぁ。

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COMMENT : 2
TRACKBACK : 1
CATEGRY : 本多孝好

COMMENT

繊細な描写、緻密な表現が生きてきてすごくいい印象でした。
トラックバックさせていただきました。
2010/05/10(月) 15:50:29 | URL | 藍色 #- [Edit
おっけーです。
2010/05/10(月) 21:36:34 | URL | 西織 #fBhJEaUc [Edit

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プロフィール

西織

Author:西織
大学に入学を果たしたただの読書好き。

拍手がえしに関してはこちらでご覧ください。
http://blogvote.fc2.com/pickup/emptyreader


年齢:19
誕生日:九月九日
血液型:A型
趣味:読書
夢:作家(前途多難)


主に好きな作家
・西尾維新(番外位)

・奈須きのこ
・辻村深月
・佐藤友哉
・竹宮ゆゆこ

上記の作家の全ての作品を愛しています。

主に好きな漫画家
・児玉樹
・荒井チェリー
・椿いづみ
・福本伸行

漫画の神
・手塚治虫


補足
西尾維新の傑作はきみぼくシリーズだと思って日々を生きています。あのよさをわからない人間が多くて残念に思う。(とくに四作目)
そんな僕は生粋の西尾信者なので、いくらでも語れますし、いくらでも語りつくしてやりますよ。


『空っぽの知識』の別館ですが、よろしくお願いします。
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