This Archive : 2011年12月

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『陽だまりの彼女』 著/越谷オサム

2011.12.30 *Fri
陽だまりの彼女 (新潮文庫)陽だまりの彼女 (新潮文庫)
(2011/05/28)
越谷 オサム

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 僕たちが結婚したらきっと幸せになれるはずさ
 素敵じゃないか





 今年最後の読書日記になると思います。
 というわけでどうもこんにちわ。今年はあんま本読まなかったなぁ。西織です。

 今回感想を書くのはコレ。『女子が男子に読んでほしい恋愛小説NO.1』というキャッチコピーの作品。
 本屋で何気なく眺めていた時に、表紙に気になって手にとって、感に任せるまま買ってしまった。ここ最近では大当たりなお買い物。いいものを読ませてもらいました。





 では、ここから後はネタバレありで。








 もう、文句のつけどころのない恋愛小説だと思います。
 ちょっとファンタジーチックなところが気に食わない人もいるかもしれませんが、そのファンタジーの部分を補強するために入念に伏線を張られているので、自分はありだと思います。というか、オチのためだけの小説だと考えると、これ以上の作りは出来ないだろうな、とすら思う。
 あまり他の作品と野比較とかはしたくないのですが、昔自分が読んだ『お薦めの恋愛小説』と言う感じで話題になったものたちは、ファンタジー要素を入れているくせにその補強がまったくと言うほどされていなかったので、そういう点で不満でした。その点この『陽だまりの彼女』は、しっかりと世界観の作りがされているため、すんなりと入れると思います。

 しっかし真緒可愛いなチクショウ。

 間が悪いことに、結婚した辺りまで読んだところでバイトに行ってしまい、無駄に考える時間が多かったせいで、オチというか彼女が猫だってことに気づいちまったんですよね。まあ気付く人は気付くんだろうけど、自分は読んでいるときはそういうことを考えずに読むので、ここまで早く気付いてしまったのはかなり残念だった。もっと作中で翻弄されたかったお……。
 日向ぼっこしながら昼寝とか、背中を摺り寄せてくるとか、もうまんま猫の行動をとっている真緒が可愛すぎる。恋愛の始まりから、新婚の時のいちゃつきっぷりまで、描き方がうまいんだよなぁ。甘すぎず、かといって冷めすぎない距離感を演出していて、ゆる系ラブコメ漫画をそのまま小説にした感じ。悶えるなぁと想いながらも、それだけじゃなくてちゃんと現実的な問題も提示していたりするところがうまいというか憎らしいというか。

 最後のオチは、猫の九生のネタのおかげで明るいラストになったなぁと個人的には思う。ここまで想われてたら男冥利に尽きるわぁ。



 うん。久しぶりにいい恋愛小説を読んだせいで死にたくなってきたところで今日はここまで。


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『恋物語』 著/西尾維新

2011.12.26 *Mon
恋物語 (講談社BOX)恋物語 (講談社BOX)
(2011/12/21)
西尾 維新

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 「わかった。騙されてあげる」




 ちょっと感想書くのが遅くなってしまった。
 というわけで、物語シリーズ第二シーズンもクライマックス! 最終巻の恋物語であります。
 化物語・上、ひたぎクラブから実に六年ぶりとなる、ひたぎメインの物語! いやいや、つばさキャットのデートイベントとか偽・上とか結構メインはってたけど、しかしこうしてメインとして出されるのはほんとうに久しぶりだと思われる彼女です。
 ではでは、ひたぎと暦の物語。感想です。









 開始一行で騙しやがったよ西尾orz
 やっとドロったひたぎと暦のイチャラブが見れると想ったのにorz

 まあ、状況が状況だから、そんないちゃいちゃ出来るわけがないとは思っていたけれど。そしてまさかの貝木一人称と言う状況に喜んでいる自分もいるけれど!
 ……もう一生、ひたぎと暦がまともに話しているの見れないんじゃないか?(なんか意図的に書かないでいる節があるし)

 まあそれはそれとして、ひたぎエンド。語り部はまさかの貝木でした。
 ただ、この人選自体はすごくよかったなとは思わないでもないです。正直ヒロインズや阿良々木君じゃあ出来ることの範囲が決まっているだけに、貝木みたいに『大人』のポジションの人間が介入してくれると、物語の幅が広がりますし、何よりどうしようもないと思っていた神・撫子の解決もしっかり図ってくれるだろうと言う安心感っぽいものも覚えますし。

 とはいえ、最初はこいつなら大丈夫と思っていても、話が進むごとに、あまりに順調過ぎて怖かったですがね。いや、まあ普通に失敗したけれども。読者からすれば、囮物語で、撫子の『私』の存在を知っているだけに、貝木の言うような『馬鹿な子供』のままやつの言葉を聞き入れるとは思わなかったけれども。

 周囲から押し付けられたイメージが撫子の狂った一端だとわかっていながら、本来の策を失敗させてしまった理由は、やっぱり貝木が等身大の撫子と付き合おうとしなかったからだろうなと思う。騙す相手としてしか見ていなかったからそんな失敗をやらかしたわけだし、だからこそ、クローゼットの中身を暴露してからのかけ合いは、人間と人間の会話、そして何より、大人と子供の会話として成り立った。
 撫子は、怒られたかったのだろう。
 説教する側の都合でもなく、また見当違いの小言でもなく、撫子自身の悪いところを、しっかりと大人から指摘されて、それから道を示してほしかったんだろうな、と思います。
 それが例え漫画家と言う、夢のような話だったとしても、それに少しでも撫子が興味を持っていたことは確かで、だからこそ図星を突かれた気分になって、素直にお説教を聞くことができたのだろう。
 しかし、真摯に話をしようとするのでは、絶対に撫子は懐柔されなかっただろうことを思うと、ひねくれた反抗期の子供に対してひねくれた大人があたったのは本当にいい組み合わせだった気がする。ってか、馬鹿正直に『お前は間違ってる』なんて言っても、子供が言うこと聞くわけないしね。大人だってムキになって否定するよ。そういうところが、阿良々木君に足りないところなんだよなぁと漠然と思う。真摯に馬鹿正直に、真正面から体一つでんぶつかって行けば、いつかはわかってくれるなんていう考え方は、あり方としてはすごくカッコいいんだけれど、そのカッコ良さを僻んじゃう人間もいるってことを知るべきじゃないかと思う。

 そんなこんなで、なでこメデューサ完結編。撫子、おっさんに懐柔されるの巻。


 しかし、『まるでキャバクラに通ってるみたい』というひたぎの表現にくそ吹いた。はたから見たら確かにそうにしか見えないわなww。しかも日本酒とはいえ酒持ってってんだから、もう貢いでるようなもんだろww。
 撫子の秘密については、やっばいくらい興奮したなぁ。ばれた瞬間の素になってぶんなぐってくるところとか可愛すぎる。そして、身体が動かないからとはいえ、それを受けてやる貝木マジいい奴。ってか撫子、下手したら貝木に惚れるんじゃねえかと思うわ。ってかこれと同じ手段でひたぎも籠絡したんじゃねぇだろうな貝木。やばい。どんどんおっさん趣味のヒロインが増えていく。

 それはそうと、主題となっているひたぎですが。
 うん。まあ、物語の主役とはいえ、蚊帳の外だから仕方ないなぁというところはあるよね。とりあえず死刑執行を待つ間、暦とどんな会話を交わしたかとか気になるよな。この2人が、そんなやばい状況でまともに振る舞えるのだろうかという点で。まあ、振る舞うんだろうけど。そういうはたから見ている方が痛々しく思う感じが、この2人はやっぱりペア何だろうなという感じ。
 しかし、ひたぎって泣くシーンがホント映えるんだよなぁ。ここぞ、ってところで泣いてくれる。自分達が助かるってわかった瞬間に泣いたところとか、マジで蕩れたわ。まあ、あれは貝木の言葉もトリガーだったんだろうなとは思うけど。
 貝木に対する恋心の方は、たぶんひたぎは貝木に惚れてたんだろうなと思う。まあ、あんだけしつこく繰り返せば、もろばれって感じではあるけど。両親の離婚は貝木の所為だけど、それをしないと母親と一緒にいたままだと駄目になるってのはわかっていて、それでも母親とは別れたくなかったというジレンマが、貝木を憎むことで調和されていた、っていうところもあるんじゃないかな。まあ、貝木の性格の悪さもわかっていて、こんなの好きなわけないじゃない、っていう意地もあるだろうけど。

 あとは暦か。阿良々木君の問題点については先に書いたけど、彼がヒーローでいられるのは、救われる側が救いを求めているときに限られるんだよな、って思う。まあそれは大抵の話で言えることなんだけど、すでに救われた、または本人が救いを求めていない場合は、暦が出来ることは何もないんだよね。実際、化物語という最初の話なんて、全部がヒロインが勝手に救われちゃってる話で、暦は見ているだけって言うことが多かった。それが変わったのが偽物語以降の物語でもあるんだけど、ここにきて原点回帰してきた感じがあるなぁ。
 しかし、成功率が高かった暦の救いの手も、考えてみれば撫子に対してだけは全部空回りしているんだよなぁ。まあそれは撫子の側に問題があるわけだけど、それを最後まで貫いて描いてきたのは、やっぱりエグイけど西尾維新いいなぁと思う。
 そういう失敗を経験して、忍野や、他の大人たちに近づいていくんだろうな。花物語の暦みたいに。

 そういえば、久々に羽川さんが出てきましたね。
 黒と白のまだら髪、って言うのは、やっぱり猫白の後で受け入れた分が身体的に出てきたんだろうな。ふつうの人間になった後でも、相変わらずのハイスペックは変わらない感じですが、相手が大人の貝木だったからか、一部弱みのようなものは見せていたなぁと思う。と言っても、貝木にとってはやっぱり天敵なんだろうな。
 しかし、羽川さんも扇のことを知っているのか。それでいて、どうも大人メンバーは全くスルーと言うのがやっぱり気になるな。臥煙さんが気になるところだが。ううむ。



 と言う感じで、物語シリーズも遂に完結しました。
 セカンドシーズンが。
 …………。
 まあ、ここまで来たらちゃんと伏線回収してくれよって思うし、続行もいいんだけどね。しかし、鬼物語の無駄づかいがここにきて本当に痛い気がするな。
 とりあえず次が斧乃木ちゃんの話らしいし、ようやく偽・下で消化不良だった影縫さんの話が来るのかと思うと胸が躍る。怪異は語り部出来ないらしいから除外するとして、今回貝木が語り部やったことだし、次は影縫さんがくる可能性も無きにしも非ずやで! いや、まあこう言っておきながら、普通に暦視点だったりするんだけどな。第二シーズン、暦回があんまよくないから、できれば影縫さんお願いしたいなぁ。
 そして、おうぎダークとこよみブックか。まあおそらくおうぎダークが、卒業式の事件なんだろうけど、ちゃんとやるんだろうな……。こよみブックはもう全頁かけ合いで構わないから、おうぎダークはがんばってほしい。


 ではでは、来年の西尾維新の活躍に期待して。
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『OVER HEAVEN』 著/西尾維新 原作/荒木飛呂彦

2011.12.17 *Sat
JOJO’S BIZARRE ADVENTURE OVER HEAVENJOJO’S BIZARRE ADVENTURE OVER HEAVEN
(2011/12/16)
西尾 維新、荒木 飛呂彦 他

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 「ディオ。何があろうと気高く、誇り高く生きるのよ。そうすればきっと、天国に行けるわ」




 西尾維新によるジョジョのノベライズ!
 主役はあのディオ! 第六部で語られた、『天国へ行く方法』が記された手記を、西尾維新が再現する!


 うん。ここまであおられて、不安を覚えない西尾信者はいないだろう。

 あの西尾維新がまともに書くわけがねぇ!!

 絶対に思うはずである。
 思わない奴は西尾を知らないか、はたまたジョジョを知らないかのどっちだろう。うん。ぶっちゃけ自分は真剣に、ディオとエンヤ婆のかけ合いか、ヴァニラ・アイスが一人称・僕でディオのことを延々と語る話かと思っていたよ。うん。

 そうではないのである。

 真面目に書いているのである。
 
 書かれている内容は、ディオの半生記。彼自身の人生を記し、そして彼が天国に行きたいと思うその思いを語った備忘録。オリジナル要素はほとんどなく、内容はジョジョの奇妙な冒険で描かれたことをつぎはぎし組み合わせ、そして作者自身の解釈を加えて、描きだした手記である。

 え、お前そんなに真面目な奴だっけ?と真剣に疑われても仕方がない西尾維新が、そこまで真面目にやっているのを見ると、なんていうかこう、変な気分になるけど、まあそれくらい、西尾維新がDIOというキャラクターを深く愛しているのだろうということだと思う。




 とまあここまで書いてここからあとはネタバレあり。いや、西尾が真面目に書いているってことを明かした時点でネタバレだろうと言うことはさておき。







 正直、読み終わった瞬間の感想は、「え、これで終わり?」って感じである。
 当たり前ではあるけど、話の流れ的に最終決戦のところで手記が終わりのは当たり前だし、ディオの特性的に、たとえ死を意識したり自分の本当に知りたいことに直面しても、先のことを意識したまま戦いに赴くことは当たり前なんだけど、まあなんていうか、すっげぇ尻切れトンボに終わったなぁと思ってしまいました。いきなりアトガキがあってびっくりという感じ。
 なんか後日談はあるだろうとか思っていたからそんな感じなんだけど、しかし冷静に考えるとこれはディオの物語。そりゃああそこで終わらんとまずいだろうとは思う。そして、時間を置けばおくほどに、79節の存在感が、終わりである80節のひとつ前の、ディオが真理にたどり着き、それに思い至らないシーンの意味合いが増してくるのだ。
 彼が嫌悪した気高さや誇り高さ。それは、自分にはまったく無縁だと思っていた愚かさ。そして、自分とは対極だと思っていた、『与える者』『受け継ぐ者』としての在り方。
 そういう分類をしていたこと自体が彼の『人間』としての在り方だし、また、知らず知らずのうちに彼自身も受け継いでいたということが、何とも皮肉なものだ。
 与える者や施す者がいれば、与えられた人間は、自然とそれを受け取ることになり、また別の形ではあれ、受け継ぐことになると言うのに。
 ジョセフや承太郎が、ジョナサンの気質をそのまま受け継いだわけではなく、まったく別の性格をしていながら、それでもジョースターという血統の持つ強さのようなものを『受け継いでいた』ように、どんな形であれ、ディオは何かを受け継いでいるし、またどんな形であれ、それを人に受け継いでいる。
 もしかしたら、ジョースターとディオの因縁というのは、そのまんま、受け継ぎ、受け継げ合っているいるようなものではないだろうか。
 そこまで言うのはさすがに言いすぎかなとも思うが、最終的な西尾維新の結論は、その点かもしれない。ディオが最終的に『聖女』の存在を意識し、実際にそれによって影響を受けていたと言うその因縁を思えば、あながち間違いじゃないかもしれないと思う。

 結局、天国に行く方法って言うのは、たくさんの理論をこねくり回したところで、当人の意思のあり方ということなのだろう。気高く、誇り高い、善の人と言うのは、そうした気持ちを迷わずに持ち続けられるからこそ、天国に至れる。それに気付いていながら、それを出来ないからこそ、ディオは別の方法を模索していた。

 少し考えてみたんだけど、天国に行く方法に関して、悪人の魂に関しては少し考えなければいけないけれど、他に必要なものは、人が当たり前のように持ち、そして求めるようなものじゃないだろうか。まあ、『私のスタンド』を『時間』に置き換えて考えた場合だけど。それに、悪人の魂に関しては、自身の悪性の自覚で、それと向き合うということなのかもしれない。『14の言葉』は作中で子守唄の歌詞と書いてあったけど、これはすごくうまい解釈だと思う。スタンドが新しい魂を得て生まれ変わり、それに友が声をかけ、信頼できる友と友になる。


 ディオはもう一度『生まれ変わって』、『やり直したかった』んだろう。
 やり直しは、ある意味ではエリナによってすでに与えられていたのに。
 いや、そもそも、自身の母によって、何時でもやり直せるように、『与えられて』いたのに。


 と言ったところが自分の解釈です。まあ、ディオが善の人に憧れていたというのはちょっと違うかもしれませんが、少なくともやり直すことは望んでいただろうなと思うし。
 まあ、西尾維新がこれをそういう解釈で書いたかというのもわかりませんが。これで全然違ってたら笑えるな。




 そんな感じで、西尾維新によるジョジョのノベライズでした。
 とりあえず作中にあふれるジョジョ愛はしっかりと受け取らせていただきました。しかし、その分はっちゃけが足りなくて物足りないという気はしないでもないかな? 上遠野さんが『ジョジョ愛』も『オリジナリティ』のどちらもやっていただけに、二発目としてはちょっと失速感があったかも。どちらも求められるのが、ノベライズの辛いところだな!

 とりあえずまあ、素数を書き連ねるディオ様には笑いました。おい、最終決戦直前に何やってんだよww!



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プロフィール

西織

Author:西織
大学に入学を果たしたただの読書好き。

拍手がえしに関してはこちらでご覧ください。
http://blogvote.fc2.com/pickup/emptyreader


年齢:19
誕生日:九月九日
血液型:A型
趣味:読書
夢:作家(前途多難)


主に好きな作家
・西尾維新(番外位)

・奈須きのこ
・辻村深月
・佐藤友哉
・竹宮ゆゆこ

上記の作家の全ての作品を愛しています。

主に好きな漫画家
・児玉樹
・荒井チェリー
・椿いづみ
・福本伸行

漫画の神
・手塚治虫


補足
西尾維新の傑作はきみぼくシリーズだと思って日々を生きています。あのよさをわからない人間が多くて残念に思う。(とくに四作目)
そんな僕は生粋の西尾信者なので、いくらでも語れますし、いくらでも語りつくしてやりますよ。


『空っぽの知識』の別館ですが、よろしくお願いします。
http://tukimaturi.blog89.fc2.com/

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