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『ツ、イ、ラ、ク』 著/姫野カオルコ  感想

2009.10.08 *Thu
ツ、イ、ラ、ク (角川文庫)ツ、イ、ラ、ク (角川文庫)
(2007/02)
姫野 カオルコ

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 それが恋というもの。




 予想以上に面白くてびっくりした。
 なんていうか、引き込まれていく面白さというよりは、ちょっと一歩離れた視点ですべてを俯瞰できることによる面白さでした。実際、物語自体が多数の登場人物が関係し合って進む物語ですしね。

 話の内容は、恋愛を主題に置いて現代を舞台にした大河ドラマって感じ。様々な登場人物がそれぞれを意識し合って、子供のころにありがちな自意識をうまく表わした物語だったと思います。
 うん、とりあえず、おすすめです。それほど盛り上がるわけでも、また悲しい話があるわけでもありませんが、なかなか最後の余韻はいい感じです。





 しっかし、感想書きにくいなぁ。まあ、いつもどおり面白かったところつらつらと上げていきますか。


 というわけで、ここからあとはネタばれあり。








 とりあえず、話自体は様々な登場人物の行動を追っていく、という形式で語られていますが、話の焦点は大抵森本隼子にあてられてましたね。
 どうしてそうしたのかなぁという疑問はあったんですが、どっちかというと隼子の話が本筋で、あとのはその味付けだったのだろうか。そう考えると、確かに『恋とは、『墜ちる』もの』という主題も、すとんと落ちてくるような気がします。

 実際、他の恋愛もいろいろと描かれていきましたが、隼子と河村だけは最後まで少し違った立ち位置で描かれていますからね。
 最初は、お互いそう言った気持ちはなく、ちょっとした自尊心によって流されていく二人が、次第に相手にからめとられていつの間にか墜ちてしまった。言葉で説明すれば陳腐ですが、そのさりげなさがすさまじかった。教師と生徒の恋愛というモチーフはありふれていますが、それでも全然気にならないところがすごい。
 それまで空想上でしか恋をしていなかった隼子が、いつの間にか自ら河村にのめり込んでますもんね。河村も河村で、最初は大人な態度で余裕を持っていましたが、次第に理性がなくなっていくという。そういう感覚を自然にトレースさせていくところがすごいなぁと思います。


 あと、なかなか面白いのが文体で、途中に入る新撰組のたとえ話とか、ちょっとした作者の一言的な文が、浮いているくせに妙にミスマッチしているように思います。これはこれでうまいなぁ、と思ったり。平坦な文章にちょっとした隠し味的なものでおさえられているところがいいですよね。
 また、どのエピソードも、無駄と言ってしまえばそれまでだけれど、人生の一場面を切り取っていったという感じで効果的に活用されていると思います。小学生、中学生、と子供時代を描いて、そこで突出した子供もいれば、ガキみたいな子供もいる、という多様性がしっかり描かれている。まあ、必要ないから高校編は飛ばしたんでしょうが、そこも描いてくれたらまた面白かっただろうなぁ、とちょっと思ったり。ま、それは蛇足ですか。



 そんなわけで、面白かったです。
 うーん、ほんと、こういう平坦な文章でも熱い恋愛って描けるんだなぁ、と勉強にもなりました。

 しっかし、解説で語られたように、ラストの文章はべたべたな終わりでいっそすがすがしかったんですが、あれを苦笑できるまでには僕はやっぱり人生経験を積んでいない模様。とりあえず、後年に読み返したいですね。

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プロフィール

西織

Author:西織
大学に入学を果たしたただの読書好き。

拍手がえしに関してはこちらでご覧ください。
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年齢:19
誕生日:九月九日
血液型:A型
趣味:読書
夢:作家(前途多難)


主に好きな作家
・西尾維新(番外位)

・奈須きのこ
・辻村深月
・佐藤友哉
・竹宮ゆゆこ

上記の作家の全ての作品を愛しています。

主に好きな漫画家
・児玉樹
・荒井チェリー
・椿いづみ
・福本伸行

漫画の神
・手塚治虫


補足
西尾維新の傑作はきみぼくシリーズだと思って日々を生きています。あのよさをわからない人間が多くて残念に思う。(とくに四作目)
そんな僕は生粋の西尾信者なので、いくらでも語れますし、いくらでも語りつくしてやりますよ。


『空っぽの知識』の別館ですが、よろしくお願いします。
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