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『”文学少女”と神に挑む作家 上・下』 著/野村美月  感想

2009.05.11 *Mon
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 僕も、狭き門をくぐろう。
 その先へ進もう。





 文学少女シリーズ、最終巻。


 そこ、「いまさら?」とか言わない! 諸事情があって今まで読まなかったんだ! 決して最終巻を読むのが面倒だったとか、前評判があれすぎて読みのが怖かったとかそういうんじゃないからな!

 そうだ、そういうんじゃないんだ。


 ……………。



 心葉は琴吹さんに土下座すべきだと思います。





 さて、本音を吐露したところで、真面目に内容に行きましょうか。

 そうはいっても、正直読み込み自体はちょっと甘いかなぁと思うので、あんまりいいことは書けないんですよね。実際、上巻読んだの一年近く前で、最近下巻読んだわけでして。上下の間に一年もの間をあけるとかアホだろと思わないでもないですが。


 とりあえず感想を連ねていくとしたら、上の土下座ネタにもつながるのですが、心葉の割り切りがちょっとあれだったかなぁと思わないでもなかったりするくらいです。

 ホント、これは個人的な意見なのであんまり強くも言えないんですが、心葉と遠子先輩の関係って、この作中でいう『白い結婚』みたいなものであるべきだろうと思ってたんですよね。男女間の友情、だなんてことは言いませんが、あくまで男と女、というステージじゃないところでつながるべきだろうと思っていたんです。
 まあ、それも流人が泣きついてきたときに勢いで岩手にまで行ったところで、ちょっと絶望的になりましたが。

 心葉の心情も理解できないわけじゃないんですけどね。とっさの状況になったとき、この先心葉は絶対に遠子先輩を選んじゃうだろうし。自分の本音に気づいてすっぱりと琴吹さんとの関係を清算させたところは、へたれ主人公にしては称賛すべきところだと思います。けれど、……うーん、どうなんだろうな。少なくとも琴吹さんに対して恋愛感情を持っていたっていうのが引っかかるんだよなぁ。遠子先輩への思いが強いと言っても、そうも簡単に清算できるもんなんだろうか。と思ってしまうわけです。

 そんなわけで、上記のネタになります。っていうか、ぶっちゃけ半分はネタじゃない。すっぱりと決断した意思はすごいけど、彼の決断は琴吹さんとか周りから見たら、足蹴にされても仕方がないくらい残酷なことだし。




 さて、他の所に行こうか。


 何気に、この話の中では叶子さんが好きです。
 いや、確かに彼女の冷たい言葉とかにイラっとこないわけではないんですが、それでも彼女の生き方は凄いなぁと素直に思うんです。『作家になるということは一人で狭き門をくぐるようなもの』。そう言い切れるような意志が、本当にすごい。
 実際そうなんだろうな、と思ってしまうから余計なんですよね。別に、叶子さんが語るほどひどいとは思いませんが、それでもそれくらいの気概は持っていないと、作品の発表なんてできないでしょうし。それに、過去の文豪がそうであるように、やっぱり自分の身を削って書いた小説っていうものは後々に語り継がれるものです。

 最後に叶子さんが『白い結婚』をしていた相手がだれかがわかったとき、余計に鳥肌が立ちました。その切なくて狂おしいような気持ちが想像できて苦しい。ちょっと狂気入っているようにも思えますけれど、ほんとわが子を捧げてもいいと思うくらい愛してたんだろうなぁ。

 そんなわけで、一番のツンデレさんである櫻井叶子さんに僕は一番感情移入してしまったというわけでした。
 ……なんでよりによって。(でも、同じような人絶対いっぱいいると思うけど)



 さて、他はどうするか。
 いろんな登場人物たちのその後については思うところがないわけじゃないですが、正直、心葉・遠子先輩・琴吹さんの三人を中心とした顛末の方が印象的すぎてどうでもいいんだよな(オイ)

 心葉が琴吹さんに別れを告げるときのところはかなり好き。自分の名前を呼んでと頼んで、心葉が「ななせ」と呼んだ次の琴吹さんのセリフにはやられました。
 そのあと去る前に、未練たらしくすがりつこうとするセリフを吐いたところがまた切なかった。すっぱり吹っ切れてなかったところがリアルだなぁ。


 心葉と遠子先輩の別れの方は、恥も外聞もなくして、泣きながら追いすがっている心葉がよかった。うん、真逆の感想だけどさ、でもそれくらいの止められない激情を吐き出している姿って、やっぱりいいな、と思うんですよ。理性取っ払って感情を前面に押し出すってことは、なかなかできないですから。
 キスしちゃったところは、やっぱそういう関係になっちゃうんだよなーと思ったりもしちゃうんですが。白い結婚っていいよなぁ。


 まあ、それから六年間はぶっちゃけ白い結婚だったわけですが。


 前に進もうと決意した後の心葉がどういう生き方をしたかはわかりませんが、ずっと一途だったことだけは確かか。ここまで来るともう恋じゃないんだよな。『ぼくの恋は、別れたこのとき、はじまった』ってあるけど、正直ここまで行くと恋じゃなくて愛だろ、と思ってしまう自分がいたり。
 このあと担当編集者と作家という立場で、どういう物語が展開されるんだろうか、とも思ったりはするのですが、そこは正に蛇足ですよね。最後の叙情感がよかったので、ここはそれに浸っておくとします。




 ……しかし、思ったよりも長くなったなぁ。


 ホント、僕は『白い結婚』ってフレーズが好きなんですよね。そうじゃなくても、恋愛通り越した絆のようなものにあこがれまして、そういう関係に心葉と遠子先輩はなって欲しいな、と思っていたから「むぅ」と思ったり。

 でも、だからといって悪かったわけじゃありません。実際最後はよかった。うん、買って損はない。




 さて、あとは番外編と短編集読んで、次に続編だ!
 個人的に『後輩キャラ』というのが大好きでして、期待は高まる一方です。(つっても、心葉と後輩がそういう関係になることは絶対にあり得ないですが……)
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プロフィール

西織

Author:西織
大学に入学を果たしたただの読書好き。

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年齢:19
誕生日:九月九日
血液型:A型
趣味:読書
夢:作家(前途多難)


主に好きな作家
・西尾維新(番外位)

・奈須きのこ
・辻村深月
・佐藤友哉
・竹宮ゆゆこ

上記の作家の全ての作品を愛しています。

主に好きな漫画家
・児玉樹
・荒井チェリー
・椿いづみ
・福本伸行

漫画の神
・手塚治虫


補足
西尾維新の傑作はきみぼくシリーズだと思って日々を生きています。あのよさをわからない人間が多くて残念に思う。(とくに四作目)
そんな僕は生粋の西尾信者なので、いくらでも語れますし、いくらでも語りつくしてやりますよ。


『空っぽの知識』の別館ですが、よろしくお願いします。
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