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『無貌伝 ”双児の子ら”』 著/望月守宮  感想

2009.05.08 *Fri
無貌伝 ~双児の子ら~ (講談社ノベルス)無貌伝 ~双児の子ら~ (講談社ノベルス)
(2008/01/09)
望月 守宮

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 「俺は……、間違ったことをしたのかな?」



 第四十回メフィスト賞受賞作。
 なんかすごく評判いいので気になっていたのですが、先日図書館で借りることができました。


 結論から言うと、面白かったです。
 夢中になるほどではないですが、素直にうまいなぁと思えるところがたくさんあって。特に話の構成と世界観は凄いなぁと思います。ヒトデナシっていう、ファンタジー要素をうまくミステリーに絡めている。作者の中で世界観がしっかりしているから、こういうのが書けるんだと思います。

 この作品で一番魅力的なのが、そのヒトデナシで、諱乗りのところとかすごくかっこいいなぁと思います。特に、最後の『巾裂』のところは熱くなりました。あと、匂色の特徴から推理を進めていくところなんかは、自然と絡めていったところがうまいとも思います。
 この設定は他にもいろいろ使いどころがあるなぁ。ただの能力に収まらないところがいい。使うのが人間以外ですからね。偶発的に起こったというのもいいし、またわざとそうなる状況を作ったりするのも面白そう。そこを次の作品でもうまく使ってくれることを祈ります。


 ただ、キャラクター造形はちょっと弱いかなぁとも思います。ミステリーにありがちな話ではありますが、この小説の場合は、登場人物の立っているものと立っていないものの差が激しい気がします。たとえば、霞と芹のキャラは最初からぶれずに立っていたけれど、秋津と望の二人はキャラのブレが目立つ感じも。特にはじめの対面から、即助手への流れはやっぱり違和感があります。
 失敗した探偵と、まだ未来を知らない少年という立ち位置がいいだけに、所々のブレが残念なんですよね。望に関しては、成長していく過程がいいのでまだかまわないんですが、秋津がところどころよくわからないのがちょっと残念。その代り、秋津の後悔が現れるシーンはかなり好きなんですが(だから余計に、もったいない感じも)
 あと、榎木家内で真人と園田の二人以外が印象に残りにくい気がしたんですが、僕だけかな。登場出番がある程度あった人たちよりも、極端に少なかった真人の方が人間味を感じたんですよね。創次に関しては、最後あたりである程度挽回したんですけど。
 キャラものとして読まなければいい、とも思うんですが、この話の形式の場合、登場人物の心情は結構大切だと思うんですよね。殺人の理由が、ちょっと感情移入しにくいというかなんというか。

 望の成長は本当に良かったんですけどね。最初は、ほんと望の性格がよくわからなかったんですが、無貌と対面してからは、自分というものを見つけたように確固たる意志で行動し始めますし。ラストの決戦は、成長したってのを感じさせるいい展開でした。



 次の作品からは、秋津のことをもっと掘り下げてほしいな。望との関係も、あそこからゆっくりと信頼関係を築いていってくれたらうれしい。

 宣伝文に負けないくらいの面白さはあったと思います。
 ただ……なんで推薦文の中の、比べられる作家が、西尾維新と辻村深月なんだろうかとちょっと悩みどころ。森博嗣は何となくわかるんですけどね。やっぱり傾向が似ているから、ってことかな。

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プロフィール

西織

Author:西織
大学に入学を果たしたただの読書好き。

拍手がえしに関してはこちらでご覧ください。
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年齢:19
誕生日:九月九日
血液型:A型
趣味:読書
夢:作家(前途多難)


主に好きな作家
・西尾維新(番外位)

・奈須きのこ
・辻村深月
・佐藤友哉
・竹宮ゆゆこ

上記の作家の全ての作品を愛しています。

主に好きな漫画家
・児玉樹
・荒井チェリー
・椿いづみ
・福本伸行

漫画の神
・手塚治虫


補足
西尾維新の傑作はきみぼくシリーズだと思って日々を生きています。あのよさをわからない人間が多くて残念に思う。(とくに四作目)
そんな僕は生粋の西尾信者なので、いくらでも語れますし、いくらでも語りつくしてやりますよ。


『空っぽの知識』の別館ですが、よろしくお願いします。
http://tukimaturi.blog89.fc2.com/

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