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『ディアティア』 作/かずまこを

2011.06.03 *Fri
ディアティアディアティア
(2011/05/31)
かずま こを

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 「恥ずかしいから嫌です」




 ひゃっほー。もはや漫画くらいしか更新していないダメブログ。でもそんなの関係ねぇ!(古い)

 さて。今回紹介&感想を書くのは、かずまこをさんで『ディアティア』

 『愛しく、切なく、初々しいふたりの初恋物語』と題打たれているこの作品。内容を簡単に説明すると、

 もてるんだけどとある理由で誰とも付き合おうとしない成田秋人と、親友が振られたのが納得いかないと突っかかってくる桐ヶ谷睦子。女の子の涙が苦手だった成田は、桐ヶ谷の意志の強い視線に次第に惹かれていく。一方、初めは納得のために成田に近づいた桐ヶ谷も、次第に成田に惹かれていき――


 恋愛系を扱う漫画で重要なのは泣き顔だと個人的に思っているのですが、もうこの作品ってば十二分にそれを扱ってくれちゃっています。しかも、うつむいて泣くんじゃなくて、正面を向いてのアングルが多いことに驚き。一巻という短い中で信条の動きをぶれずに描いているところが素晴らしいと思います。





 さてさて。ここからはネタバレも込みで。






 桐ヶ谷が可愛すぎてつらい。

 いや、とりあえず一話を読んだ段階で「うわ、やばいわ自分」とか思うくらいに桐ヶ谷に入れ込んじゃったわけですが、成田の回想の中での桐ヶ谷の意志の強い瞳と、そのあとに明かされる水道での出来事がもう僕の心を揺さぶる貫く。成田にかけられたなんてことない一言がその強い意志を切り崩して思わず涙をこぼさせるとか、もうどんだけたらしなんだよ成田! そして気を張っているけれどガードが地味に甘い桐ヶ谷が可愛すぎるやばい。
 だがしかし、そんなところはまだまだ前菜なのだ。前菜どころかお皿の模様のようなものなのだ。我ながら何言ってるかわからんがそういうものなのだ。本番はその直後に待っている一話のクライマックスである。
 成田の何気ない一言に、軽くショックを受けた後に本音を出しちゃって、泣いちゃっているところ見られたくないのにひきとめられたときの言葉が。

 「なんで、ひどい。泣いてるってわかったくせに! 泣いたら嫌いになるくせに!」

 ああ、その前の「…どんな人が好きなの、って」の台詞ですでにゲイボルクでもくらったような気分になっていたのに、続けてこの言葉である。もはやゴッドハンドでも追いつかないレベルに悩殺されました。
 前から言っていることですが、僕はこういう、かくしている本音がさらされる瞬間がすげー好きなんですよ。こういうのって疑似的なエロさがあると思うんですよね。官能的じゃないプラトニックな要素ではありますが、特に虚勢を張って気持ちを落ち着けている奴が、思わず本音を出しちゃったりするとか、もう……死ぬしかないじゃない!


 ってか一話の段階でこれである。なんというか感じ入りすぎだろ俺キメェな感じになっているけれどマジでこんな感じだったからシャレにならん。表紙と同じシーンが来たときなんかもういろいろ来すぎて魂抜けるかと思った

 いやお前この調子で最終話まで語るつもりか? とか思われているかもしれませんが、語っていいなら語ってもいいですよ? ただしその頃にはあんたは嫌気がさしているだろうがな。

 とりあえず語る分だけ語ることにしますが、もう成田に振られた二人がまたいい子なんよ! 美佳先輩とか振られた後だってのにあんだけ気丈に振る舞って、自分の悪かったところとかちゃんと受け止めて、それで割り切ろうとしているんだけど割りきれなくて成田の一言で思わず泣いちゃったり! そして鈴音にしても、自分のコンプレックスから告白できなくて、親友の桐ヶ谷が成田に近づいているのを知ってちょっと嫉妬しちゃったりしてそんな自分に嫌気がさしているところなんかもう!! そんでもって「私、先輩のことが好きなんですっ……」って泣きながら思いを伝えるとかもうもうもうッ!!!

 おのれらはそんなに俺を悶死させたいのか。

 そしてまた三話のラストで桐ヶ谷の感情がはっきりと動いたのが素晴らしい。それはほんの些細な心のとげのようなもので、けど確かな心情の変化。そんなわかりきった感情の正体に気付かないとかああもう桐ケ谷可愛いなチクショウ。

 しかしまあさんざヒロインのこと語っといてなんだが、話としては成田の成長も素晴らしいわけでして。そもそも一話が彼にとっては一番の転換だったわけだけど、女の涙が苦手で、正面から向かい合うことができなかった彼が、桐ヶ谷の涙をぬぐったことでそのトラウマを克服して、なおかつそれから二人もの女の子の涙を直視するわけですよ。自分がふった女の涙を。いやもうそれどんな拷問だよと思うような漢字だけど、それをちゃんと受け止めたからこそ、彼が四話のラストで自分の気持ちを形にできたわけで。
 あのカラー二ページは卑怯だよなーほんと。やべぇよあの空気。絶妙すぎんぜ間が。ついに行ったああああああああああああああああああって思わず心の中で叫びつつ、もう逝ったああああああああああああああって感じでしたね。成田がんばったぜ。持てる癖にそういう恋愛ベタなところ好きだぜ!

 そし手最終話は桐ヶ谷の心の整理。もうこん時の美佳先輩と鈴音がマジでいい子すぎる。何もかも見通したような美佳先輩の「私にそんな風に言わなくちゃいけないことがあったの?」って台詞にゾクっと鳥肌立って、引っ込み思案な鈴音が桐ヶ谷から聞き出したことに怒って怒鳴るところはマジでよすぎた。もう王道も王道でわかりきった展開なのにそれがあまりにもきれいに描かれているもんで、もう西織さんのライフはダイレクトアタック食らいまくりですよ。もうやめて僕のライフはもう〇よ!

 だってのに、往来で告白合戦とかよおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!

 萌え死ぬかと思った。



 しかし、本編でこれだけ盛り上がれたんだから、もう後日談とかニヤニヤして終わりのほのぼのだろうなーくらいの感覚で見たわけですが。


 マイディア1
 「やっぱりそのうちキスとかもしたいです」

 
 マイディア2
    ち  だッ  バタバタバタバタバタ ……… ガラガラガラ

 「秋人先輩。来ましたよ」



97d71cdd.gif


 ベッドの上で三回転半くらいしながら今日はここまで。

 ……そしてとあるサイトさんのパクリな終わりで申し訳ないです。
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『ナナマル サンバツ』 作/杉基イクラ

2011.05.01 *Sun
ナナマル サンバツ (1) (角川コミックス・エース 245-4)ナナマル サンバツ (1) (角川コミックス・エース 245-4)
(2011/05/02)
杉基 イクラ

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 「ぜ、絶対領域!!」




 はろーえぶりばでぃー。もう最近は真剣に小説を読んでいない西織さんですよー。
 ちゅうわけで漫画の紹介。



 杉基イクラさんで『ナナマルサンバツ』


 サマーウォーズのコミカライズを担当したりした杉基さんですが、オリジナルもなかなかいい味出しています。競技クイズをテーマにした学園部活もの。なんのとりえもなく、ただ一人で黙々と本を読むことで蓄えた知識だけが飛びぬけている主人公越山識が、入学した高校でクイズ研究会の存在を知ってクイズにハマって行く物語。

 素晴らしいのがクイズの臨場感とスピード感を絵でかなり見せてくれること。実際どれほどすごいのかって言うのは体験したことがないのでわかりませんが、すくなくともこの漫画だけ見ても随分な迫力を感じさせてくれます。越山君が一番初めに正解叩き込むところが最高。


 いやもう、連載の時から目をつけていたので、単行本化ということでテンションただ上がりでございます。こう、クイズそのものはマニアックなのもあったりしてわかんねーけど、緊張感はいい感じで伝わってくるから面白い。


 あと、ヒロインが残念な子可愛い。深見さんパンツ可愛い。発言がいちいちエロい。発言がいちいち残念。だけどそれがいい。この物語は彼女という花がいるおかげでもう素晴らしいラブコメになっております。まあ本人ラブっ気ゼロですが。


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『Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ ツヴァイ!(3)』 作/ひろやまひろし

2011.01.24 *Mon
Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ ツヴァイ! (3) (角川コミックス・エース 200-5)Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ ツヴァイ! (3) (角川コミックス・エース 200-5)
(2011/01/26)
ひろやま ひろし

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 この瞬間を待っていた

 強化のルーンを組んだ手袋も
 限界まで練り上げた格闘術も
 あらゆる肉体に耐え抜く肉体も――

 それは敵を屠るためではなく

 ただ

 この一撃に繋げるための――――…ッ!!






 Fate/stay nightのスピンオフ作品。連載当初からずっと追っているのですが、もうこの三巻に収録されているシリーズは、Fateファンならびに奈須きのこファンならば必ずやテンションあがるであろう展開となっております。もう自分は連載時にこの展開があったときには毎月テンションあがりまくりでしたからね。




 というわけで、ここからネタバレあり。







 封印指定の執行者バゼット・フラガ・マクレミッツ、ここに参戦。
 というわけで、Fateのスピンオフ作品が爆発しました。作中でもチート級の力を持つ魔術師の参戦により、ただでさえ混沌としている事態はさらにカオスを極める。加えて八枚目のカードの存在がほのめかされたりと、もう行きつく暇もない展開であります。

 序盤はそんなことなかったのにね! 三巻の最初の二話はもう完全にギャグ話なのに、後半のシリアス具合はパないっすよ!

 とりあえず前半の感想を言うと、パウンドケーキ作りの話は連載でも爆笑ものだったわ。フリスクはねぇよwww。もうこいつ余計なことしかしねぇww。当たりさえひかなければ、ってところが笑える。
 最初の姉争奪戦にしても、間違ったお姉ちゃん観がやばすぎる。「病院行ったら?」のシーンのクロで何度吹いたことか。もうこのギャグのノリ大好きよ。

 そんで、中盤から後半戦。バゼットの登場のおかげで一瞬で絶望感が漂うところがすごかったわ。なにより素晴らしいのは、フラガラックを使っておいて両陣営に死人を出さなかったこと。ライダーのカードを使うってのはよく考えたなーと思う。ほんとひろやま先生がんばった!
 それと、クロを介してアーチャーの技を見せてくれるのがまた嬉しいファンサービスです。鶴翼三連かっこ良すぎだろ。剣の大量投影して目隠しの後の『バイバイ』が素敵すぎる。そしてそれに『もう見ました』って反応するバゼットもかっけーわ。ああ畜生、もうこれ公式の漫画よりもバトルがかっけーからな!

 ホロウで描かれたバゼットの『強さ』の面をこれでもか、というほど押し出したこのエピソードは、ほんと型月ファンならばテンションあがること間違いなしでしょう。反撃に関してもちゃんと伏線張ってあったしね。ただ、バゼットが強襲してきたこと自体はまだなぞに包まれているから、その辺は今後の連載次第か。

 ってか、ほんとこれアニメ化すればいいのに。まあまだ完結していないから難しいんだろうけど。それにいろいろ問題はあるしなー(でも、一応なのはの原作者も面白いって言ってるし……)



 そんなわけで、次回の四巻は九月発売。半年以上先なのに何限定版の予約とかやってんだか……とか思いますが、さてさてどう話がころがっていくのやら。

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『射英雄伝EAGLET』 全五巻 原作/金庸 漫画/白井三二郎

2011.01.19 *Wed
射ちょう英雄伝 EAGLET(5) <完> (シリウスコミックス)射ちょう英雄伝 EAGLET(5) <完> (シリウスコミックス)
(2010/12/09)
白井 三二朗

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 己の信条と正義のための生き様―――それを武侠と呼ぶ





 『射英雄伝EAGLET』の紹介(と感想)を致します。

 この作品は、中国で人気の武侠小説の代表作家である金庸という作家の作品『射英雄伝』のコミカライズ。なのですが、まあ日本風にアレンジする過程でかなりはしょられたり設定が変わったりしているみたいです。(ただ、その分読みやすくはあると思う)
 なんかわけわからん漢字が使われているなと思うかもしれませんが、『』です。『ちょう』って読みます。鷲のことらしいです。ちなみに『EAGLET』は『鷲の子供』。射英雄伝の子供って感じかな。



 実を言うとシリウス連載時も連載を追っていたんですが、完結巻が出てからネタにしようかな―とか思っててすっかり忘れてました。ってか、五巻が出たの知らなかった。先月かよ……。


 五巻完結。

 内容は、13世紀の中国、宋と金、蒙古が覇権を争っている時代。金に滅ぼされた牛家村という村の生き残りである郭靖は、父の敵を討つために旅をしていた。一方、同じ牛家村の出身でありながら金国で生まれ育った完顔康は、金国の王である完顔洪烈の手で王子として育てられた。同じ出自を持ちながら全く違う人生を歩んできた二人は、やがて運命に導かれるように巡り合う。

 面白いのが、主人公である郭靖が最初武芸がてんで駄目って点です。もう、マジで雑魚。だけど義侠心だけは強いという困ったさん。対して完顔康の強いこと強いこと。いや、マジで最初は完顔康の強さが目立ち過ぎて郭靖が残念でならなかった。まあ、その分後半の郭靖のかっこよさは半端じゃないけどな!!
 あと、原作もそうらしいですが、爺さんたちがめっちゃカッコいいな。イグレットの中だと洪七公と欧陽鋒くらいしか出ないけど、もうこの2人のバトルシーンはマジで鳥肌ものだった。なんか底知れない爺さんってロマンだよね!
 それと忘れてならないのが女性キャラ。とにかくこの作品に出てくる女性キャラは可愛い。可愛くないのって第二話のお姫様(本物)くらいじゃね? 黄蓉は当たり前として穆念慈の完顔康への想いとかマジ最高。黒風双殺さんはマジ怖かったけどでも全部旦那様のためだと思えば許せちゃう! あと個人的に完全につぼったのは過去話での郭靖の母親だったり。うん、主役がかっこよくてヒロインが可愛い漫画は素晴らしい!


 とまあ、ネタバレ回避できているのかどうかあやしい紹介になり始めていますけど。




 とりあえず、一言で言うなら、武術と信念をかけた戦いにロマンを感じるなら一度読んでみなYOって奴です。具体的に言うと底知れない爺さんマジかっけー。ほらほらー、いつもはボケボケだけど本気出したらマジ強い爺さんとか好きだろ? 『ふん、まだまだじゃな。ついてこい、いいものを見せてやる』とか言って歩きだしちゃう爺さん好きだろ? 名前付きの武術で技名叫ぶの好きだろ? そういう奴はGO!!


 ってか、自分なんかはもう、降龍十八掌とか九陰白骨爪とか天下五絶とかもうそういうワードだけでも心の中の中学生が騒ぎますぜ。やべぇって、とりあえず原作読みたくなるくらいにはテンションあがるって。今のこのテンションで図書館に予約はした。前予約しようとしたときは誰かに借りられてたからできなかったんだよなー。まあこの漫画と原作は相当違うもんと考えていいだろうけど。



 うん、そんなわけで、面白いです。

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『うさぎドロップ』 作/宇仁田ゆみ

2011.01.02 *Sun
うさぎドロップ 8 (Feelコミックス)うさぎドロップ 8 (Feelコミックス)
(2010/10/08)
宇仁田 ゆみ

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 わたしがこれ以上のことを望まなければ
 こんなに楽しい暮らしもないな

 望めば全部
 なくなっちゃうけど…






 ハローみなさん。こちらでは明けましておめでとう。
 さてさて。今年一発目の読書日記の更新が漫画だってのはあれだけど、今年は漫画の方も気に行ったものは更新していきたいなーと思っているよ!

 というわけで、『うさぎドロップ』です。

 簡単に内容を紹介すると、30歳独身の大吉が祖父の訃報で彼の家を訪れると、そこには祖父の隠し子のりんがいた。りんを誰が引き取るかでもめる親族たちが見るに堪えず、大吉は自分がりんを引き取ると宣言する。そこから大吉とりんの奇妙な共同生活が始まった。

 四巻までが第一部で、大吉の子育て奮闘記。五巻からはその十年後の話。

 テーマとしては、子育ての大変さだとか親になるということの意味とかそういうのが第一部の物語だと思います。子育てって大変なんだけど、それを誰もが経験しているんだということ。それは社会に出て仕事を始める時に『子供』から『大人』になるのと同じで、『大人』から『親』に変わること。そうした際にやってくる障害を一つ一つ乗り越えていく姿が変則的に描かれています。
 一転して第二部では、一部の延長のような話が続きますが、しかし視点が大吉だけではなくりんの方にも及ぶことで、家族関係にも広がってきた感じ。少なくとも六巻くらいまではそんな雰囲気でした。七巻以降はそれがまた少し変わってくるのですが、それはまあ読んでの感想だと思うので。








 まあ、それはそれとして。ここまでは紹介ということで、ここから先はネタバレありの感想に入ります。












 とりあえず、第一部の内容はもういろいろえぐってくるなーという内容でした。僕も成長してある程度分別がついてきた大人に近づいていると思っていたんですが、まだまだ自分って子供だよなぁと実感させられるような話。人は親になって子供を育ててからが一人前、みたいな話をよく言われますが、なるほどこういうことか、とすごく納得しました。
 仕事の責任ももちろん自分にかかってくるものですが、それは同僚も同じように抱えている重みですし、それに耐えきれなかったとしても痛むのは自分自身というよりは対人関係における摩擦が痛いという感じですが、子育ての場合は直に自分自身に痛みが跳ね返ってくるものなんだと思いました。まあ、そりゃそうですよね。仕事だとかそういうのでは、口で言わないでも心の中で誰かの所為にすることもできますが、家族はほんとうに自分か伴侶しか責任者がいないわけですし。そこで自分自身にまったく責任を追及せずに妻なり夫なりに責任を押し付け合うような夫婦がうまくいかないわけでしょうが、たぶん子育ての間って普通はそんな余裕ないんだろうなーと漠然と自分の子供のころを思い出して思った。……うん、そうとう苦労かけているよね。

 一巻二巻の様子を見ていると、ほんと心が痛いといいますか、ほんの些細なことでも障害は出てくるんだなーとしみじみ思います。ってか、大吉ができる奴すぎる。自分の子供でもないのにここまで自分を犠牲にできるものなのか、と思ってしまうのですが、それを犠牲と思うかどうかは人次第かもしれません。結婚もしていないのに親になるってのはそうとう人間出来ていないとできないと思うわ……。
 大吉は、初めからりんに対して悪い感情は持っていませんでしたけど、それが次第に本当に自分の娘に向けるような感情に変わっていくのがいいなぁと思いました。とくに四巻のラストですが、こいつマジで親バカやなーと。大吉が子育てをがんばれた理由は親族やりんの母親への反発や子育て仲間の様々な境遇なんかもあったのだと思いますけど、何より彼がしっかりと人間のできた大人だったことがよかったんだなーと思います。


 さて、一転して第二部ですけど、どうも最初はあんま評判良くなかったみたいですね。個人的には一気に読んだのでそんな感じはしなかったんですが、確かに五巻、六巻はそれ以降の物語の展開に向けての溜めの期間だったようにも思います。ってか中学時代のコウキのグレ具合が小出しだったからちょっとやきもきしたわけですが、その溜めがあって、りんにとっての初恋に収拾をつけたからこそ、りんの大吉に向ける思いのようなものがきれいに落ちてきたようにも思います。
 ってか、八巻が爆発すぎる。冒頭でコウキが自分の母親の『女』を見たことに対してショックを受けている、という描写があったおかげで、余計にりんの気持ちに対する背徳感が高まるといいますか。いや、最初りんの大吉への恋心のようなものがほのめかされた時は『その展開はねーよ』とか思ったんですが、なんか流れがあまりにも自然すぎて普通に受け止められてしまったわ。たぶん近すぎず遠すぎずっていう二人の距離感がうまいこと作用したんだろうと思う。まあ、普通は十年も一緒に暮らしていたらそんなことはあり得ないと思うんですが、りんの境遇が境遇だから、大吉もそれほど深入りできなかったのかも。りんにとっては家族と言うよりは同居って感じだったのかもなー。それ考えると、完全に自分の娘として見ている大吉の方が可哀そうなんですが。問題が出てくるまでに十年と言う長い年月がかかっているのが余計に重たい。

 もう、八巻の最後で大吉の文句に赤面するりんが完全に女の顔しているのが決め手ですね。やべーよ。これどう収拾付けるんだよ。三親等だぞ。いや、確かに創作の世界にゃ近親相姦が最近あふれているけど、普通にやべーからな。これをどうまとめ上げるかで作品の評価ががらりと変わってくると思う。


 そんなわけで、続刊が楽しみすぎです。大体半年くらいの周期か……。待ちきれんな。


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プロフィール

西織

Author:西織
大学に入学を果たしたただの読書好き。

拍手がえしに関してはこちらでご覧ください。
http://blogvote.fc2.com/pickup/emptyreader


年齢:19
誕生日:九月九日
血液型:A型
趣味:読書
夢:作家(前途多難)


主に好きな作家
・西尾維新(番外位)

・奈須きのこ
・辻村深月
・佐藤友哉
・竹宮ゆゆこ

上記の作家の全ての作品を愛しています。

主に好きな漫画家
・児玉樹
・荒井チェリー
・椿いづみ
・福本伸行

漫画の神
・手塚治虫


補足
西尾維新の傑作はきみぼくシリーズだと思って日々を生きています。あのよさをわからない人間が多くて残念に思う。(とくに四作目)
そんな僕は生粋の西尾信者なので、いくらでも語れますし、いくらでも語りつくしてやりますよ。


『空っぽの知識』の別館ですが、よろしくお願いします。
http://tukimaturi.blog89.fc2.com/

初めての方は、カテゴリ内の『未分類』を先に読んでください。



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