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『少女』 著/湊かなえ  感想

2009.06.27 *Sat
少女 (ハヤカワ・ミステリワールド)少女 (ハヤカワ・ミステリワールド)
(2009/01/23)
湊 かなえ

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 「因果応報。地獄に堕ちろ」



 ずいぶん前に読了。
 今の今まで感想書くのが面倒だったので……。

 とりあえずはじめに注意しておくと、あんまりうまく感想書けませんでした。読了後は面白い、と思ったんですが、思い返せば思い返すほどあらが目立つような気がして……。すぐに感想書けばよかったんですけどね。


 そんなわけで、湊かなえの二作目。『少女』
 正直な感想をはじめにあげると、『告白』がすごすぎて、こっちは微妙に思えました。うーん、ひとつ一つの要素と、見つめる視点はいいんだけど、なんか少し足りない感じがしました。『告白』のすっきり感からすれば、なんかちょっと消化不良。

 その理由は、多分主題である『人の死を見る』ってのが思ったよりも深められてなかったからだろうな、と思います。なんか結局なあなあで終わっちゃっている感覚がある。
 少なくとも主題を置いている以上、それがあんま深められなかったのは痛かったなぁ、と思います。見どころである伏線の回収も、『告白』の時ほど意外なものではなかったですし。最初と最後の遺書のおかげである程度体裁は保てていると思いますが、それを作者が狙ってやっているのかそれとも単に筆力が足りなかっただけなのかが予測できないんですよね……。
 あと、はじめ敦子と由紀の章わけがよくわからなかったのは僕だけじゃないとは思いますが、これは狙ってやっているのだろうか?(まあ、慣れたら気にならなかったですが)




 とりあえず、内容を踏まえた感想を。




 最初は、敦子はちょっと嫌なやつか、と思ったのですが、老人ホームでおっさんに対する対応が以外にも気遣いができていたものだったので、根はやさしいタイプだとわかりました。
 代わりに、由紀は最初まともなキャラかと思ったら、あとになるにつれて嫌な感じに。まあ、その理由には祖母の影響があるとしても、他の人間をちょいと見下しているような態度はあまり好感は持てない。ボランティアの女性はいいとしても、彼氏を見下しながらも付き合っているのがなんだかなー。

 まあ、そんな風に思ってしまったせいで、敦子の根の純粋さが、後半は結構救いでした。
 印象としては、由紀サイドはひたすらくらいところに沈んでいく感じで、敦子サイドはその暗さに触れておそろおそる潜っていく感じ。

 由紀の方は、もう嫌な人間ばっかりでてきますしね。ぼけたおばあちゃんしかり、ボランティアのおばさんしかり、変態のサラリーマンしかり、彼氏しかり。しかし、変態サラリーマンはなんで必要だったんだ……?
 逆に、敦子の方は結構いい人ばかりだし、嫌な人でもいい面を見せているように思います。高雄さんは言うに及ばず、由紀が恨んでいる祖母も、こっちの方ではそこまで悪い人だってことは描かれていないし。そんな中で高雄さんにのめりこんでいくところが、危うい感じがしたけれど。

 しかし、話の勢いでいい話だなぁ、と思ってスルーしていたけれど、敦子はどうして高雄さんに惹かれたんだ……? 後で考えると、そこだけがなんだか唐突な感じがしました。うーん、話としてはいいから、別に気にするほどでもないのか。


 ヨルの綱渡りについては、敦子が高雄さんの家でそれを読んだ時がすごく良かった。『あんたがそれほど不幸だというなら~』の引用の部分は、まだ全容が分かってない段階だったのに、ジンときました。
 この物語のキモはここだと思います。主題を離れちゃっているのがかなり残念だけれど。
 どうせならもっと別の主題にすればよかったのになぁ。どうして『人の死を見る』なんてものをはじめに持ってきて展開させたんだろう。




 ………うーん、いつにも増して、とりとめもないし、それに言いたいこともあんま言えてない。

 どうも感想を書くまでに時間がかかりすぎたので、言いたいことがぽんぽんと出てきませんでした。
 まあ、少しずつリハビリしていきたいと思います。そんなわけで、今日はこの辺で。
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『告白』 著/港かなえ  感想

2009.03.09 *Mon
告白告白
(2008/08/05)
湊 かなえ

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 私は聖職者になりたいなどと思っていません。






 この本、実を言うと500円で手に入れました。
 とある古本屋にて、汚れがあるからという理由でこんな値段で買えたんです。前から狙っていた書籍だったので、即買いは当たり前でした。

 そして、いろんな人が語るとおり、読み始めたら止まらない。僕は一章を読んだ後は我慢して寝ましたが、次の日には学校の自習時間を使ってまでして読破したくらいです。



 とにかく、何がすごいかというと引きがすごい。

 全六章で、一章が終わるたびに情報が小出しにされるのですが、一つ読み終わったらすぐに続きが読みたくなります。自然とページをめくる手は早くなって、結果的にラストまで一気に読んでしまうことは間違いないでしょう。
 少なくとも、僕は止まれませんでした。とにかくこの本全体を貫くある種のテンションは、がっしりと僕を捕まえて話してくれませんでした。



 内容の感想を言うとしても、なんだか話しにくいんですけどね。

 とりあえず、この小説は森口先生のテンションの高さを楽しむ物だと思います。
 高性能すぎるぜこの中学教師。そもそも、あの主犯の中学生がすでにチートなのに、それを上回るチート。もう何でこの人中学教師やってたんだろと思うくらいの怖さでした。
 五章を丸ごと使って述べられた、同情を寄せるような手記を一刀両断する冷徹な復讐鬼。いやあ、ホントリアルに「甘えるな」発言はすごかった。『馬鹿ほど理屈をこねたがる』ってセリフをここまで的確に使った作品を僕は知りませんよ。(クビシメロマンチストのラスト並みの切れ味といえばわかりやすいでしょうか)


 とりあえず、各章ごとに感想を。

・一章「聖職者」
 森口先生の告白形式で語られる、先生の子供の死の真相と、その復讐。
 二転三転する話に少し眉をひそめるでしょうが、最後のどんでん返しで全てが繋がるというすばらしさ。森口先生の復讐に、生徒も読者もドン引きです。
 この章だけでミステリーの賞を取っているそうですが、確かにそれも頷ける出来でした。

・二章「殉教者」
 森口先生がいなくなった後の、クラスの委員長による手記形式。
 典型的な『いじめ』が描かれていたのですが、だからといってつまらないわけではない。『手記』という形式がうまく使われていて、美月の心情とクラスの雰囲気がじわじわとしみこんできました。
 こちらも、最後の若きウェルテル先生への仕返しがよかったです。しかし、リアルに想像できますよね、ウェルテルみたいな先生。
 美月が復讐する理由として、「直くんが初恋の相手だったから」と言ったときは、とても怖いと思いました。

・三章「慈愛者」
 事件の犯人の一人である下村直樹の母親による日記。
 これがまた、なんていいますか。典型的なモンスターペアレントなんです。
 しかし、それがステロタイプだからといってなえるわけではありません。読んでてマジでいらいらします。一章における森口先生の気持ちを知っているからこそ、余計に腹立たしさがましていきます。
 最後に、先に殺そうとしたのは母親の方だったというのは意外でしたが、分からないでもないなぁと思いました。

・四章「求道者」
 これは……多分、鑑別所か精神病院にいる下村直樹の回想です。
 ここで事件の真相のほとんどが明かされるのですが……。本当に、表面だけを見るよりも壮絶なものがありました。三章だけでは分からなかったことも、しっかりと説明がつきましたし。
 特に最後になるにしたがって狂って行く直樹の心情が真に迫っていた。これがリアルかどうかは分かりませんが、言い知れない恐怖を感じたことは確かです。

・五章「信奉者」
 事件の主犯である、渡辺修哉のブログの記事。
 ここで、彼がどうしてあんな行動を取ったかの理由が分かります。ここまでで分からなかったことのほとんどが判明しました。
 読んでるうちに、どうにも感情移入してしまいますから、「ああ、そんな過去があったのかぁ」と妙にしんみりなってしまうのがまずかった。書き方がうまいんですよね。

・六章「伝道者」
 どんでん返し。森口復讐者の攻撃。
 五章でしんみりとなってしまった気持ちを一刀両断してくださったときには、もはや笑うしかありませんでした。この先生マジでパネェです。
 森口先生が行った『復讐』の真相や、ウェルテル先生のこととか細かいところが判明。『世直しやんちゃ先生』の行動はグッジョブですが、そもそもそんなことをやりくさる女がその程度であきらめるとは思わないほうがよかったよな……。
 そんなわけで、最後の最後に森口先生の『復讐』。最後の一行読んで、もう苦笑いしか出ませんよ。




 本当に、こりゃ人気が出るのも当たり前だなぁと思える作品でした。
 ただ、ところどころに危険なネタをだしているのがちょっと気になりました。HIVの問題なんかは、敏感な人はかなり過剰に反応しますし。
 また、『世直しやんちゃ先生』って、明らかに『夜回り先生』じゃ……大丈夫かな、これ、と結構心配しました。

 ただ、細かい点に目を瞑ればかなり面白いです。
 考察タイプの小説じゃないなぁと思います。これは本当に、『感じる』ための小説。いちいち細かいところを突っ込んでいったら楽しめませんって。

 そんなわけで、なかなか面白い作品でした。

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プロフィール

西織

Author:西織
大学に入学を果たしたただの読書好き。

拍手がえしに関してはこちらでご覧ください。
http://blogvote.fc2.com/pickup/emptyreader


年齢:19
誕生日:九月九日
血液型:A型
趣味:読書
夢:作家(前途多難)


主に好きな作家
・西尾維新(番外位)

・奈須きのこ
・辻村深月
・佐藤友哉
・竹宮ゆゆこ

上記の作家の全ての作品を愛しています。

主に好きな漫画家
・児玉樹
・荒井チェリー
・椿いづみ
・福本伸行

漫画の神
・手塚治虫


補足
西尾維新の傑作はきみぼくシリーズだと思って日々を生きています。あのよさをわからない人間が多くて残念に思う。(とくに四作目)
そんな僕は生粋の西尾信者なので、いくらでも語れますし、いくらでも語りつくしてやりますよ。


『空っぽの知識』の別館ですが、よろしくお願いします。
http://tukimaturi.blog89.fc2.com/

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